マスコミへの影響力は、スキャンダルの火消しにも絶大な効果を発揮してきた。恋愛スキャンダルはもちろん、ジャニー社長のジュニアに対する疑惑のように、事務所の存続すら危ぶまれるような超弩級の不祥事の際も、マスコミ報道は完全に骨抜きにされてしまっている。
「ジャニー社長の疑惑を報じた『週刊文春』との裁判では、記事の重要部分に関する記述は真実と認定する判決が2004年に出ています。この問題は国会でも取り上げられましたが、ジャニーズとズブズブの大手芸能マスコミは、ほとんど取り上げようとしなかった。メリーは、かつてジャニーの性癖を問われた際、『弟は病気なんだからしょうがないでしょ!』と開き直ったそうです。黙認してきたマスコミの罪も重い」(スポーツ紙記者)
さらに言えば、今回の騒動でメリー氏の権力によって事務所を追放されたIマネージャーも、ことスキャンダルに関しては、まさにメリー氏と同様の手法でSMAPを守り続けてきた。
稲垣吾郎が道路交通法違反で逮捕された際も、「容疑者」ではなく「メンバー」という謎の呼称が話題となったが、他にもタブー視された事件は数え切れない。
例えばSMAPのリーダー・中居正広に噴出した一般女性に対する妊娠・堕胎強要疑惑だ。報道によれば当時、交際していた女性が妊娠。中居は中絶を迫るが、女性を納得させることはできなかった。そこに乗り出してきたのがIマネだ。女性を呼び出して説得を続け、半ば強引に中絶手術の同意を取りつけたという。
「この記事内容を、別な媒体の記者から質問されたメリーが、ものすごい形相で完全否定したため、後追いするメディアはほとんどなかった。テレビや新聞などの大手メディアさえ報じなければ、世間にとってはなかったも同然とばかりに、記事は黙殺されてしまったのです」(月刊誌記者)
マスコミへの影響力は今も健在。今回の騒動を見ても、スポーツ紙は連日、「悪いのは独立を画策したIマネと、事務所を裏切った4人」「筋を通したキムタクはSMAP存続のために仲介した」「マッチ主導の食事会でジャニーズは再結束」「スマスマ番組収録も和気あいあい」といった“美談”を報じ続けた。テレビに至っては、スポーツ紙や雑誌の記事紹介をするのが精いっぱいだ。近い将来、この権力はメリー氏からジュリー氏に継承されることになる。
「これまでSMAPのマネージメントはIさんが一手に握っており、メリーもジュリーも口出しできないと言われてきました。ところが目の上のコブだったIさんを追放しただけでなく、いったんは独立しようとしたメンバーに謝罪させたことで、大きな貸しを作ることに成功した。SMAPの実権を握ったことで、メディアへの影響力はますます強まることは間違いないでしょう」(大手出版社幹部)
全てはメリー氏の策略だったのではないか‥‥と勘ぐりたくもなるが、いずれにせよ、事務所に残ることになった“独立派SMAP”の4人には、茨の道が待ち受けているだろう。