今年も確定申告の時季がやって来た。だが「俺はサラリーマンだから関係ないね」というのは早計にすぎる。あんなものからこんな驚きの方法まで、さまざまな生活上の経費や税金を取り戻す、「知らなきゃ大損」なテクニックがあるのだ。
いよいよ今年も確定申告のシーズンがやって来た。確定申告は昨年の所得に応じた所得税の金額を計算し、税務署に申告する手続きのことである。とはいえ、サラリーマンなど給与所得者の多くは、勤務先の経理部署が毎月の給与とボーナスから源泉徴収税を納税、会社が過払い分の還付などの年末調整をしてくれるため、我々には関係ない‥‥と決めつけている場合が多い。
だが、それは大きな間違い。実はサラリーマンでもきちんと確定申告すれば、税金が戻ってくるのだ。
「普通の人が老後まで安心して暮らすためのお金の話」(扶桑社)などの著者で、経済評論家の佐藤治彦氏に、確定申告で税金をガッツリ取り戻す方法を聞いてみた。これを知らないと損する「裏ワザ」の数々、まずはいちばん身近な医療費から。
「医療費は生計を同一にしている家族の合計が10万円を超えた場合、控除の対象になります。ただ、その対象は何も入院費だけに限られるものではなく、薬局で購入した風邪薬や胃薬も対象。治療が必要なものならOKになります」
なるほど、最近アッチのほうも元気ないしなぁ。ならば強精効果がある栄養ドリンクを買い込んで‥‥。
「いや、残念ながら栄養ドリンクは治療薬ではないため、対象にはなりません。あと、うがい薬もダメ。虫歯やインプラント治療は対象ですが歯の矯正はNG。つまり、治療ではなく美容目的のものは控除の対象にならないということです」
また、眼鏡の購入も、医師の証明があればOK。乱視や近視を治療するためのレーシック手術も控除対象になるそうだ。さらに驚くべきは、人間ドックも対象になる場合があるという。
「基本的には認められていませんが、検査によって重大な病気が発見され、引き続き治療が行われたようなケースは控除対象になるんです」
いや~知らなかった。先生、じゃあバイアグラとかシアリスなんかも大丈夫なんですよね。
「EDという病気の治療が目的ですから、当然OK。もちろん薄毛治療の場合も可能です」
鍼灸やマッサージも「医療行為ならOK」だというからビックリだ。さらには、通院にかかる費用も対象になる。
「例えば、自宅から電車で隣町の病院に通う場合、公共交通機関の交通費は全て対象になります。駅でいちいち領収書をもらうのが面倒なら、診察券の裏に明記してある(受診日の)記述を提示すればいいし、病院が出してくれる通院予約書でも大丈夫です」
骨折してしまった時や、出産間近に乗った妊婦のタクシー代も対象となる。
「つまり、そのくらい医療費控除の対象は幅が広いということです。ですから年度が変わったら、まずは家族全員で医療費控除の対象になりそうなものは全て記録を取っておくことを心がけるべきでしょう。それを年度途中からではなく、最初から備えておく。例えばドラッグストアに行ってレシートをもらったら、捨てずに医療費のところだけ赤丸をしておくとかね。そういった地道な努力が最終的には節税につながるということです」