閣僚、所属議員がスキャンダルを連発し、湯水のごとく失言を噴出させてもなお支持率急落を免れている安倍自民党。野党の体たらくが拍車をかけるその驕り高ぶりは、ア然とする大暴言のオンパレードに表れている。完全にタガが外れ、しっぺ返しも恐れない傲慢集団の素行を白日の下にさらす!
やはり「一強多弱」がもたらす「慢心」や「驕り」のせいなのだろうか。安倍晋三総理(61)率いる自民党の国会議員らによる“舌禍事件”が止まらない。
そもそも安倍政権は、安倍総理の盟友として知られる甘利明氏(66)が経済再生担当相辞任に追い込まれた口利き疑惑に続き、安倍チルドレンのイクメン男こと宮崎謙介氏(35)が議員辞職に追い込まれた不貞行為疑惑などで手痛いダメージを受けたばかり。にもかかわらず、騒動の渦中の期間をも含めて、閣内や党内から政権の足を引っ張りかねない「トンデモ発言」が相次いでいるのだ。
島尻安伊子北方担当相(50)が定例会見で「歯舞」の2文字を読めなかったのはアキレ半分のご愛嬌としても、民主党政権時代に定められた福島原発周辺の年間被曝量を巡り、元女子アナの丸川珠代環境相(45)から飛び出した次の発言はマズかった。
「反放射能派と言うと変ですが、どれだけ下げても心配だと言う人は世の中にいる。そういう人たちが騒いだ中で何の科学的根拠もなく、時の環境大臣が決めた」
発言は松本市で行われた講演でのもの。さっそく、「時の大臣」と名指しされた細野豪志元環境相(44)が衆院予算委でかみつき、丸川氏は発言の撤回と被災者らへの謝罪に追い込まれた。
あるいは、自民党政務調査会の法務部長を務めた丸山和也氏(70)が参院憲法審査会で発した次の言葉も世間をアキレさせた。
「バカみたいな話だと思われるかもしれませんが、例えば今、アメリカは黒人が大統領になっているんですよ。黒人の血を引くね。これは奴隷ですよ」
さらには、こんなことも。
「日本がアメリカの51番目の州になれば、集団的自衛権は問題にならないし、(北朝鮮による)拉致問題も起こらなかった」
丸山氏は法務官僚出身で弁護士の資格も持つ人物。すぐに非常識かつ荒唐無稽なこの発言の撤回と謝罪を余儀なくされたが、野党側が議員辞職勧告決議案を提出する構えを示すや、次のごとく逆ギレしてみせた。
「大変な誤解だ。人種差別を乗り越えてきたアメリカはすばらしい、と言うことが批判されるのは不条理」
ちなみに丸山氏は例の甘利氏の口利き疑惑についても、「(50万円なんて)賄賂としては安すぎる。なめられたもんだ」などとテレビで発言しているのだから、付ける薬がない。
また、高市早苗総務相(55)が放送法4条に定める「政治的公平性」を巡り、これまでの「放送全体」から「個々の番組」にまで解釈の幅を広げ、違反した場合に「電波停止命令」を出せるとの見解を示した一件にも、マスコミを中心に猛烈な批判の声が噴出した。
14年の衆院選にあたり、自民党は選挙報道の「公平中立」を求める文書を在京各局に手渡している。高市氏は安倍総理の覚えめでたいタカ派の論客としても知られ、今回の批判に対しても、自身のホームページやフェイスブックに掲載しているコラムで、
〈(電波停止命令は)総務省が数次にわたって改善を要請しても、相手が応じない場合には、視聴者の利益や公益を守る為に、これらの行為を阻止できる唯一の手段〉
などと応戦している始末なのだ。