3月5日と6日、その公開初週の土日、シネコンでも「観客にオッサンが4、5人しかいなかった」という悲しいツイッター報告までされているのが、“1000年に一人の美少女”と呼ばれる橋本環奈主演の映画「セーラー服と機関銃-卒業-」(角川映画)だ。
ご存じ、1981年に薬師丸ひろ子主演で興行収入47億円を叩き出し、主題歌もシングル86万枚を売り上げる大ヒットとなったアイドル映画の金字塔「セーラー服と機関銃」の続編的作品だが、満を持して公開された橋本版はヒットするどころか、「閑古鳥も鳴かない」ほどの歴史的大コケとなっているという。
「上映館数は170館程度。多いわけではありませんが、少なくもありません。ヒットする映画なら土日で1億円以上は稼いでランキングでも3位あたりには食い込めるはず。ところが『セーラー服~』はいきなりベスト10圏外、興収も2000万円前後で、話題作としては歴史的大爆死です」(エンタメ誌記者)
公開前には、橋本がセーラー服姿でバラエティ番組や情報番組に出演するなど、いわゆる“宣伝活動”も展開していたが、これもまったく功を奏さなかった。ネット上では「1000年に一度の大コケ!」「芸能界から卒業ですか?」などとバッシングされる有様だ。
「ところが、あまりに想像を絶する大爆死のため、彼女だけを批判するのは可哀想だというムードも出ているんです。『みんなで観に行ってあげよう』『こんな古臭いコンテンツに引っ張り出されて気の毒』『架空の人気に踊らされすぎた』など、彼女に同情する声も集まっています」(前出・エンタメ誌記者)
最近の大ヒットする邦画の傾向といえば、売り出し中の若手女優とその周囲を人気のイケメン役者たちが固める、いわゆる「スイーツ映画」が圧倒的だ。
「土屋太鳳の『orange‐オレンジ‐』が32億円、能年玲奈の『ホットロード』が24億円、桐谷美玲の『ヒロイン失格』が23億円など、どれもこれも主演女優の力だけではありません。仮に土屋が男性しか興味を持たないコンテンツである『セーラー服と機関銃』をやっても大コケしたでしょう。女性を呼べない映画はヒットしないのが今の日本の映画界。橋本も話題先行で、一部では“架空人気”と言われていただけに、まずはスイーツ映画で実績を作るべきでしたね。いきなりピンでいける女優にと、キャリアをショートカットさせようとした周囲も悪い」(映画ライター)
ともかく、橋本の映画初主演は「カ・イ・カ・ン」とはいかなかったようだ。
(藤田まさし)