お笑い界の“ひとり芸日本一”を決める「R‐1ぐらんぷり2016」決勝戦が6日、東京・台場のフジテレビで行われ、芸歴24年目のハリウッドザコシショウが王者を勝ち取った。
今大会は過去最多3786人のピン芸人がエントリー。その頂点に立ったザコシショウは、ハイテンションでオーバーアクションのものまね芸などを武器に勝ち進み、優勝賞金500万円が手渡されると「よっしゃー」と雄叫び。まさに勢いに乗ったステージを魅せ、番組は締められたのだった。
だが、あれほど会場を沸かせたにも関わらず、ザコシショウ優勝に対して「レベル低すぎ!」「まるで社員旅行の宴会芸」「会場だけの内輪ウケ」と、視聴者の反応は冷ややか。それどころかザコシショウを優勝させた審査員にまで批判の矛先は向けられ、ネット上は一時騒然となったのだった。
「これほど優勝を祝福されなかった芸人は、『R‐1ぐらんぷり』史上初めてでしょう。松本人志もツイッターで指摘したとおり、今大会はネタの出来不出来ではなくキャラクターの押しの強さで勝敗が決まってしまった。スタジオ観覧者とテレビ視聴者との温度差が乖離してしまったのもこれが原因です」(エンタメ誌ライター)
ネット上でマツモトクラブやおいでやす小田の評価が高い理由もここにある。視聴者は新キャラの登場を期待していたのではなく、完成度の高いネタを見たかっただけなのだ。
「新キャラの発掘なら深夜のネタ番組で十分。ピン芸人の“頂点”を決める唯一の番組を謳うならば、それにふさわしい技量を持った芸人たちの真っ向勝負の“ネタ合戦”を見せてもらいたかった。このままでは“R‐1不要論”の声はますます拡大し、番組の存続に関わる事態になりかねません」(テレビウォッチャー)
今大会で14回を迎えた歴史ある「R‐1ぐらんぷり」。ザコシショウ優勝の波紋で番組自体が消滅してしまえば、歴代王者も悲しむことになりかねない。現在、ザコシショウの元には仕事の依頼が殺到しているというが、これだけ視聴者から総スカンをくらったなかで「R‐1特需」はいつまで続くのだろうか。
(佐藤マコト)