最終予選でよもやの敗退。リオ五輪予選出場を逃し、佐々木監督の退任、主力選手の代表引退など、あの空前のブーム以来、最大の危機を迎えている女子サッカーのなでしこジャパン。
苦戦の連続だった予選中に「こんな時、あの人がいてくれたら」と国民を嘆かせたのが、先日、現役引退を表明したばかりの澤穂希だ。
そんな澤はテレビ解説などで今回のなでしこにも叱咤激励を飛ばしていたが、ここにきて、昨年12月あたりから澤の関係者に自民党から参院選への出馬要請があったことが判明。しかも、その要請を澤がみごとに蹴り返していた事実もわかり、人々の絶賛を浴びている。
「女子サッカーを長年牽引し、女性も男性も含め、国民全体から信頼の厚い澤さんですから、メディアの間でも引退したらすぐに声がかかるのではと予測されていました。案の定でしたね(笑)。安倍総理の悲願である憲法改正のために議席の3分の2をどうしても埋めたい自民党。SPEEDの今井絵理子、『五体不満足』の乙武洋匡らと同じく、なりふり構わない著名人への出馬要請連射砲の一つですが、まだ候補者の決まっていない東京で得票できる澤さんは目玉候補のつもりだったはず。ところが、さすが澤さんですね。好感度が上がって当然です」(週刊誌記者)
澤は、絶体絶命のなでしこジャパンを立て直すべく、次期監督候補であるU-20女子代表の高倉麻子監督のもと、指導者への道も示唆しているが、もしもなでしこが五輪出場を果たしていたら、政界に出馬した可能性はあったのだろうか?
「ないと思いますね。そもそも富や名声に興味がない、あれだけの有名人でありながら、わからないことはわからないと言えるのが澤さんのスゴいところ。政治はまったくの素人でしょうし、そんなところに不勉強のまま客寄せパンダとしてノコノコ出て行くのは彼女のプライドが許さないはずです」(スポーツ書籍編集者)
世間の声も「プレーと同じで賢明です」「本物のアスリート」「今井とはレベルが違う」「自民党に弾丸シュートは爽快」など、澤のブレない判断に絶賛の嵐だ。一方で「澤さんのように、駄目なことは駄目と言える人に政治をやってほしい」「なでしこも国も立て直してほしい」という、ファンの声もある。
いずれにせよ今回の報道で、国民の澤への信頼度はますます高まったようだ。
(三崎康太)