3月30日から熱戦が繰り広げられている「フィギュアスケート世界選手権2016」。過去をひも解けば、男子の競技が放送されない時代もあった。あまりに注目されない状況に「いつかこの状況を変えてやる!」と高橋大輔元選手が奮起し、男子のフィギュアスケートにも視線が集まるようになったことはよく知られている。
「高橋の活躍が突出していたことと、高橋が『世界選手権2010』で金メダルを獲得した時に“日本人初”と騒がれたため、世界選手権の初表彰台も高橋大輔だと思われているフシがありますが、実は世界選手権で初の表彰台に上ったのは高橋大輔の優勝からさかのぼること33年前。現在は競技解説でお馴染みの佐野稔氏なんです。77年に行われた東京での世界選手権大会で3位に入って、それは大騒ぎでした。その後02年、03年にはどちらも3位で、解説者としても高橋のジャンプのコーチであった本田武史氏が表彰台に上りました」(スポーツ誌記者)
2人とも、解説では「こんなこと僕らはできない」「レベルが違う」と褒め称えているが、フィギュア界において日本がまだまだ世界と肩を並べるのが大変な時代に、驚くべき偉業を成し遂げていたのだ。
(芝公子)