開幕スタートしたにもかかわらず、ここまでチーム全体の歯車がかみ合っていないシーズンも珍しい。
「球団内からも周辺からも『ヘタしたら第1次長嶋政権以来、41年ぶりの最下位もありうる。暗黒の堀内政権時代ですら5位だったのに‥‥』との自虐的な声すら漏れています」(スポーツ紙デスク)
この“負の流れ”は昨年10月に発覚した野球賭博問題が起点となっているのは言うまでもないだろう。これには由伸監督も相当に疲労困憊している様子で、「一点を見つめたまま放心状態になっている姿も最近よく見かける」「ボーッとしているから声をかけても、ワンテンポ遅れて『えっ? 何か言った?』と答えることが多い」「監督の囲み会見で発する言葉が、自信なさげのモゾモゾ声で何を言っているのかサッパリわからない」などという証言が周辺から噴出しているほどだ。
しかも、火種はまだくすぶり続けていると見ていい。4人目の野球賭博関与者・高木京介(26)について巨人は契約解除を発表した。NPBから高木京の1年間の失格と球団側に対する制裁金500万円の最終処分を下されて、即座に当人へ解雇を通告し、厳しい姿勢を世に示したかのように見える。しかし「高木京の復帰申請が認められた場合、17年シーズンの統一契約書を巨人と交わさなければいけない」というルールがある以上、この“賭博左腕”がシレッと来季に再びGのユニホームを着ている可能性はゼロではないのだ。世間の非難をかわすため高木京を「いったんクビ」にはしたが、開幕前に強引かつ都合のいい形で騒動の幕引きを図ったと邪推されてもしかたないだろう。
ところがチームの内情を見ると、そんな巨人の思惑どおりには進んでいないことがわかる。古参の球団関係者は、こう嘆き節を口にするのだ。
「状況打破のためトレード補強に動こうにも、賭博問題でイメージが悪くなったから、今のウチはどこの球団に話を持ちかけても難色を示されてしまう。どんな交換相手を提示しても『何か怪しいんじゃないのか』と獲得後の不祥事発覚を恐れられて、満足に話は進まない。もちろんヒソヒソ話のレベルだけど、球団内や読売本社内部からは『こういう悪いイメージを一新するためにも、いよいよ身売りするしかないのでは』なんて過激な意見まで出始めている。とはいえ、ジャイアンツのブランドは今や地に堕ちてしまったから『もう主筆(渡邉恒雄氏=89=)の嫌う消費者金融の会社しか買収に名乗りを上げてくれないかもしれないな』なんて笑えないような話まで一部からは出ている」
栄光の読売巨人軍の迷走が止まらない。由伸監督はいきなり盟主の浮沈がかかった“重荷”を背負わされたようだ。