4月26日に行われた黒沢清監督の映画「クリーピー 偽りの隣人」のジャパンプレミアで、東出昌大の“役者バカ”ぶりが明らかになった。黒沢作品初出演の東出は現場で一切しゃべらなかったという。どういうつもりだったのか?
プレミアを取材した映画ライターが明かした。
「主演の西島秀俊が撮影初日、東出に声をかけたところ、『本当は人懐こくて話すタイプなんですけど、役づくりで全く話さないことにしているんです』と真顔で説明されたという。冗談と思ったら、自分だけでなく香川照之にも全くしゃべらなかった。西島は『すごく役に集中していた』と初志貫徹ぶりに舌を巻いたが、香川は『僕のこと嫌いなんだなあ』と傷心モードだったそうで、東出はかなり浮いていたらしい」
東出の役は刑事で元同僚の西島と事件を追う設定だ。絡みのシーンも多く、現場ではコミュニケーションなくしてはたちゆかない。だが、当人には現場の雰囲気を乱すつもりは毛頭なかった様子。この日は「黒沢監督の映画の世界観に入りたいが、普段のデレッとした自分はそぐわない」と完黙を決めたことや、打ち上げの席で種明かしをして全員に謝罪したことを告白した。
「朝ドラ『ごちそうさん』では上方なまりを話す役のため、大阪の落語専門の上席『天満天神繁昌亭』でバイト、生きた言葉を実地で学んだそうです。しかし、演技派と呼ばれるにはまだまだ程遠いですね」(テレビ誌ライター)
“役者バカ”を貫き通すことで、いつの日か東出の演技力が開花すればよいが‥‥。
(塩勢知央)