R-1ぐらんぷり2016で優勝したモノマネ芸人のハリウッドザコシショウが早くも、芸風を変えるかどうかの岐路に立たされているようだ。5月8日放送の「ニノさん」(日本テレビ系)に出演したザコシは、MCの二宮和也に「誇張モノマネを今後続けたほうがいいのか」どうかを相談。それに対して二宮は「今後は幅広げましょう!」とアドバイスを送った。そのザコシについてお笑いに詳しいライターはこう語る。
「ザコシの欠点はなによりも、服を着ないスタイルにあります。同様のスタイルで知られる小島よしおの場合、鍛え上げられた肉体美が必然性を感じさせますが、ザコシの体つきはユルユルの中年体型に過ぎず、本人が意識するプロレスラーをイメージできないのが実情。しかも誇張モノマネという芸風との関連性もありませんし、ただでさえ顔つきが十分に強烈なのですから、あの格好を続ける意味は見出せませんね」
この日の放送ではザコシと同様、ひとつのスタイルにこだわる先輩芸人が登場。「ゲッツ!」で知られるダンディ坂野は、地方を含めてCM契約が8社もあると語り、その成功ぶりを見せつけた。そんな坂野の芸風にザコシが今後目指すべき方向性が表われていると、前出のお笑いライターは指摘する。
「坂野は下品さとは無縁なので企業として起用しやすいキャラです。一方でザコシは見た目の下品さに留まらず、やたらとシモの話題を振るトークも企業には敬遠されるはず。ただその口癖は、アメリカ人レスラーが口にする『シット!』を直訳したものなので、プロレスラースタイルをやめればこのセリフも封印できるはずです。ザコシに対しては『つまらない』という批判も多いですが、なにより必然性の薄いスタイルを変えることこそが、最大の課題ではないでしょうか」
二宮はザコシに対し、いまの芸風に一つプラスした「合わせ技がいい」とアドバイスしていた。だが本当に必要なのはプラスすることではなく、マイナスしていくことではないだろうか。もし今後もザコシをテレビで見ることがあるなら、その時はまともな衣装を着ているはずだと願いたい。
(金田麻有)