東洋医学では、春は肝の季節だという。「東洋医学でいう肝とは肝臓の働きだけでなく、全身の『気(エネルギー)』の流れをコントロールし、精神を安定させ、内臓の働きをスムーズに保つ機能も含みます」(管理薬剤師・山田徳子氏)
しかし、春は季節の変わり目で生活環境が変わることもあり、ストレスがたまりやすい。ストレスがたまると肝の機能が低下し、消化器系の不調や疲労感、イライラ、鬱といった症状が現れるようになる。簡単に言えば、ストレスの解消が肝の強化につながるのだが、一口にストレス解消法といっても、方法は多種多様。なかなか続かない、あるいは効果が上がらないことも多い。東洋医学を研究する根本叉智子氏によれば、
「東洋医学的に体にとっていいストレス発散法は『出す』ことです」
声を出す、涙を出すなど、とにかく体から何か出すことが大切なのだという。
例えば、涙を出すことでもいい。日常では泣く機会は少ないが、泣ける映画を観たり、本を読んで泣いたり。思いっきり泣けば泣くほど、その後の気分は爽快になるという。他にもスポーツやサウナなどで汗を出す。大きな声を出す。ハイキングに出かけ、野山で思いっきり声を出す。カラオケもいいだろう。さらには、トイレの時間を長くとってゆっくりと出す。排泄もストレス解消になるという。
「体の中の毒素を出し切るいい機会にもなります」(三上藤雄整体院院長)
「とにかく『出す』ことを意識することが大事で、方法は何でもいい」(前出・根本氏)
しかし、「出す」とはいっても「衝動買い」でお金を出す行為は一時的にはストレス発散にはなるが、無駄遣いが新しいストレスを生むことが多いのでオススメできない。続けて「出す」ことができそうなものからやるのがいいだろう。
(谷川渓)