「次期総理」候補である稲田氏の周りには、お近づきになりたいマスコミが常に追いかけている。政治部デスクはこう話す。
「安倍総理と仲がいいので、情報源としても重宝されています。今のうちに良好な関係を築いておこうと、マスコミ各社はイケメンやファッションに詳しい女性を『稲田番』にして機嫌をうかがっています」
テレビカメラの前では毅然とした態度でコワモテの印象を受けるが、カメラが回っていない時は、ノリのいい関西弁で気さくに取材に応じるという。
5月23日には、党本部で菅義偉官房長官(67)と稲田氏の話し合いが行われたあと、こんな場面が見られた。
「当時、消費増税の先送りや参院選が近かったので、どんな会話をしたのか、注目が集まっていました。囲み取材になると、急に稲田さんがテレビ局の女性記者の靴を指して、『かわいい靴やね。どこで買ったん?』と女子トークを始めたんです」(政治部記者)
ようやく落ち着いたところで、男性記者が菅官房長官との会話について質問すると、
「フフフッ、世の中おもしろいなって話やったわ」
と言って、笑ってごまかされたという。
人気上昇で一挙手一投足に注目が集まるため、今まで以上にみずからの発言を注意しているようだ。五味氏はこう語る。
「稲田氏の話を聞きたいと、地方から講演依頼が多く舞い込んでいます。講演先で野党やマスコミに失言を拾われないように、メディアにも日程を教えていません。中国、韓国との3カ国首脳会談の年内開催を目指す中、問題発言で批判の矢面に立たないよう慎重になっています」
8月25日、18年9月に任期満了となる安倍総理の任期延長について、自民党は9月から本格的に議論を開始することがわかった。
党の規則である「1期3年、連続2期まで」を変更して安倍総理の続投が実現すれば、後継者に稲田氏が指名される可能性も高くなりそうなのだ。
「初の女性総理になっても不思議ではないですが現時点での実現は2割くらい。破格のチャンスをもらって早い段階で重要ポストに就きましたが、政治家としてはまだ荒削り。防衛大臣として結果を残せるのか、真価が問われる。安倍総理の顔に傷をつければ脱落もあるでしょう」(浅川氏)
第二次安倍政権成立当初、安倍総理は、小渕優子衆議院議員(42)を筆頭に、小池百合子東京都知事(64)、野田聖子衆議院議員(55)など「女性後継者」の登用を図っていた。金銭問題や鞍替えなどで失墜する中、ダークホースとして目下、頭一つ抜け出したのが稲田氏である。
その稲田氏も「総理候補」としての自覚が芽生えたようで、昨年3月、都内の講演で力強くこう“宣言”した。
「全ての政治家が最終目標を首相に置くのは当然」
「メガネっ娘」が総理の椅子に座り、網タイツをはいた脚を組む日は訪れるのか──。