そのホテルの一件のあと、日を置かずに裕太容疑者は再び、母・淳子の楽屋に顔を見せた。部屋に入るなりいきなり鍵を閉め、裕太容疑者はAさんに迫り、男の力で体を押さえつけキスをし、服の上から胸を触るなどの蛮行に及んできた。Aさんが、
「バレたら怒られますよ!」
と強い口調で、獣欲の手から逃れようとすると、裕太容疑者は、
「これがバレたらクビになるよ?」
とケロッとした顔で、逆に脅してきたという。これに味を占めたのか、裕太容疑者はその後も母親のいない隙に楽屋を訪れては、Aさんを弄んだ。事後、ラブホテルやビジネスホテルに来ることを指示し、Aさんも断りきれずに何度か体を許してしまったという。
「程なく劇団内に、『Aが高畑の息子と関係を持っている』という噂が広がりました。当時、Aさんは先輩団員と交際関係にあったのですが、『あの高畑さんの息子とモメると、劇団での立場がなくなる』と言われ破局しました」(Aさんの知人)
やがてその噂は、高畑淳子の耳に入るようになる。高畑はAさんに事情を聴くこともなく、一方的にAさんを叱責した。
「うちの裕太をたぶらかさないでください!」
一連の事実関係を、高畑が取締役を務める劇団青年座に聞くと、担当者がこう答えた。
「Aさんという女性の付き人は、まったく存じ上げません。付き人は誰もついていません。(その時)控え室に息子さんが、っていうのは一度です。もう千葉の寮にいましたので。一度、娘さんと裕太くんが、ゲネプロの時に来ただけです。楽屋に置いてあった財布からお金がなくなったことはありません」
裕太容疑者の所属事務所は、「青年座に聞いた」としたうえで担当者が事実無根と答えた。Aさんの知人は、こう反論する。
「Aさんは間違いなく『付き人』でした。公演の主催は青年座ではありません。高校の寮をどう抜け出したかわかりませんが、顔パスで楽屋に直接入ってくる息子を、劇団が把握してるはずもないでしょう」
Aさんへの性強要は7年前のことだが、報道の必要性をノンフィクション作家の高山文彦氏が解説する。
「過去の犯歴や前科をつまびらかにする、ということは、そういったさまざまな積み重ねがあって現在があるということを明らかにするもので、報道意義のあることだと思います。被害にあった方の証言があるのであればなおさらです。7年前の事案だということは関係ない」
26日には、高畑淳子が記者会見を開いた。愛息と接見した時のことを聞かれ、
「『死のうと思った』と言っていましたね。あとは震えて泣くばかりで、理路整然と話せる状態ではありませんでした」
と涙ながらに答えた。Aさんも一時期「死のう」と真剣に考えたそうである。会見では自身への励ましの声について「たくさんありました」と高畑は言うが、今回の被害女性やAさんはそれをどんな思いで聞いているのか‥‥。
「裕太容疑者側は、量刑を軽くするために示談工作をしたり責任能力の有無について訴えたりするかもしれないが、論外だと思う。被害者の精神的な傷は残る。謝罪し続けて、その気持ちを証明していくしかない。罪を軽くしたら、またやりますよ。責任能力の有無を論点にしても、裁判所は取り合わないと思います」(前出・高山氏)
なぜか被害者のように同情を集める高畑淳子だが、親友のピーターは、24日の「バイキング」に出演。裕太容疑者を、「生まれたまま大人になった」と表現した。子供や赤ん坊がレイプなどするはずもない。今回、裕太容疑者の共演者約20名にコメントを求めたが、母を気遣ってか、いずれも「ノーコメント」だ。「芸能ムラ」の感覚は、どうも一般社会とは違うようである。
Aさんに接触すると、
「もう過去のことなので、そっとしておいてください」
と、震えながら言葉少なに答えた。