9月27日、お笑い芸人のテントさんが大阪市天王寺区で乗用車にはねられ、搬送先の病院で亡くなった。65歳だった。
死亡の一報が流れると、ツイッターでは話題となっているキーワードを示す「トレンド」の上位に「テントさん」という文字が出現。「早すぎた天才だった」「あの芸風はテントさんだけのもの」「あんなに面白い芸人はいなかった」とテントさんの死を悼む声で溢れた。
関西では知名度が高くバツグンの人気を誇ったテントさんだが、関西以外ではほとんど知られていない。果たしてどんな人物だったのだろうか? 関西のお笑いに詳しいエンタメ誌ライターはこう話す。
「上岡龍太郎さんの弟子で、めったに姿を見せないことから“ツチノコ芸人”なんて呼ばれていました。ひょうひょうとした芸風で、代表的な芸に『人間パチンコ』があります。これは全身を使ってパチンコの数字が揃うところを再現する芸なのですが、一見すると何が面白いのかわからない。それでもジワジワとクセになってずっと見ていたくなるんです。人前に出てきてくれるだけで、存在してくれるだけでうれしいと思える芸人でした」
「芸人が愛する芸人」とも称され、師匠の上岡龍太郎を始め、多くの芸人に愛された。明石家さんまがテントさんのモノマネをしていたのは有名で、今回の訃報を受け、なだぎ武や東野幸治、ウーマンラッシュアワーの村本大輔などもすぐにツイッターで追悼している。
昨年には芸能生活45周年のライブを開催し、今後も表舞台で活躍してくれると思っていただけに、その死は残念でならない。
(笠松和美)