高橋監督のもとを巨人戦中継のスタッフらが挨拶を兼ねて訪れ「何とか優勝して人気を復活させ、視聴率も上向きにさせましょう」と訴えた。が、指揮官本人はなぜか、そっけなかったというのだ。
別の日テレ関係者が深いタメ息をつきながら、こう打ち明けた。
「その場で高橋監督からは仲間意識が見られず、『努力はします』といった類いの慎重な言葉にばかり終始し、『絶対に優勝させる』とか『絶対に人気を回復させる』などといった威勢のいいコメントは一つも聞こえてこなかったそうです。彼が感情を表に出さないタイプで、いわゆる『カッコつけ』の性格なのは重々承知していましたが、まさか監督になってもここまで一切何も変わらないとは思ってもいなかった」
それだけでは終わらない。日テレ関係者の失望を隠さない舌鋒は、いやが上にも増すばかりなのだ。
「試合中、高橋監督はベンチでも常にポーカーフェイスのままでしょう? これでは視聴者だっておもしろくも何ともないから、しらけてしまう。そのため現場スタッフは何か変わった動きはないのかと試合中、高橋監督の一挙一動をリアルタイムで追えるように“由伸カメラ”で常にマークし続けていましたが、基本的にずっと仏頂面で腕組みしたまま。しかも、試合後のテレビインタビューや記者の囲みでも『そう思ったんならば、そうなんじゃないですか』『まあ、とりあえず、よかったです』『そんなことに、いちいち答えなきゃいけないの?』などという感じで、ぶっきら棒なものばかり。時に逆ギレまでして‥‥」
底なしにやる気のないコメントのオンパレード。現場スタッフも「こりゃあ、地上波の放送が打ち切られるのも時間の問題だな」と声をそろえてあきれ返り、半ば、もう覚悟を決めてさえいるのだという。
確かに、原辰徳前監督(58)が試合中、オーバーアクションを交えながら采配を振り、試合展開によっては喜怒哀楽を剥き出しにしていた姿とはあまりにも対照的だ。しかもメディアへのリップサービスもいとわなかった前任者と違い、高橋監督はコメントの中身がほとんどなく、いつも暗いムードを漂わせているものだから、メディアの扱いも必然的に小さくなってしまう。
そうこうするうち、高橋監督と報道陣との間には微妙なすきま風まで吹くようになっていった。その要因の一つが、夏場からテレビ・ラジオで試合中継を行う各局の担当者に「できれば試合前のチーム練習中、監督が取材に応じるのはカード頭の1試合のみにしてほしい」と、水面下で監督周辺から前代未聞の要請があったからだという。
「それまで巨人戦ではテレビ・ラジオの中継アナウンサーやレポーターが、その放送日の試合前練習の時に打撃ケージ裏まで行き、監督に生情報を聞くのが通例だったんです。ところが、高橋監督はややナーバスになっていて、その巨人指揮官としてのルーティンワークに突如難色を示し始めた。気持ちもわからなくはないが、それまで当たり前だったことにダメ出しされれば、どうしても不信感を強める材料になってしまう」(民放局関係者)