巨人有力OBも、暗いイメージばかりが先行する高橋監督に注文をつける。
「あそこまで動かないと“本当に指揮を執っているのか”という疑念も浮かんできてしまう。実際のところ、由伸は野手に関しては村田真一ヘッドコーチ(52)、投手については尾花高夫投手コーチ(59)にそれぞれ重要な局面においての選手起用を丸投げしているとも聞いている。そうなれば、側近2人におんぶにだっこ状態なわけで、事実上、本当に“ほぼ何もしていない”ということになってしまう。主力選手たちだって、そういう監督の姿は見ている。今季は新米監督としてまだ大目に見てもらえたが、来季から“お客さん扱い”は終わる。覚悟を決めないと、総スカンを食らうことになるかもしれない」
来季といえば、今季中に将来を見据えた若い選手の抜擢がほとんどできなかったことも響くだろう。二軍で大暴れしていた希望の星・岡本和真(20)も、一軍出場はたった3試合に終わっている。岡本は三塁起用が基本線だが、今季は正三塁手・村田修一(35)がそれを許さず、まるで3年契約の最終年に帳尻を合わせるように好調モードをキープした。
「シーズン途中から一軍復帰した37歳の阿部慎之助も4番を任され、34歳の内海哲也も中盤から先発ローテに戻った。これだけベテラン偏重で新陳代謝できないと、若い選手たちの芽が摘まれてしまう。こういう時こそ監督が強いリーダーシップを発揮して、村田コーチらに『若手を積極的にもっと使いましょう』と言い切ればよかったはず。でも由伸は目の前ばかり見て、それができない。困ったものです」(球団関係者)
10月3日、クルーズ(32)が故障でもないのに出場選手登録を抹消された。「チーム事情」と言うだけで理由を語らなかった高橋監督だが、シーズンを通して全力プレーを怠ったサボリ癖に対し、ついにブチ切れたのが真相だという。
動かなかった指揮官が、ようやく重い腰を上げたようにも見えるが、チーム関係者はこう皮肉る。
「いや、そもそも監督がずっと放任主義で、選手たちを引き締めていなかったことが招いた人災ですから。じゃあ、イライラすると試合中のベンチでも暴れるマイコラス(28)は処分しないのかっていう話ですよ」
高橋政権の長期化によって“G版暗黒の時代”が訪れてしまわないことを祈るばかりだ。