ここに来て、V逸した巨人への批判が一気に高まりつつある。矢面に立たされているのは、誰あろう高橋監督だ。ルーキー監督としては何とか及第点を与えられそうなシーズンだったが、他ならぬ身内から酷評する声が上がっているのだから穏やかではない。
球団内外を問わず、高橋由伸監督(41)の手腕に猛烈なブーイングが浴びせられ、指揮官としての資質そのものにも疑問が投げかけられている。
その筆頭がなんと、球団親会社・読売新聞グループ本社の関連会社である日本テレビだというのだ。いわば“身内”の同局内部から由伸バッシングが飛び出す理由とは──。
そもそも現在の日テレは、巨人離れに舵を切っているように見えないだろうか。日本シリーズへの下克上出場を賭けた大一番、DeNAとのクライマックスシリーズ・ファーストステージも、有料のCS中継こそ連日放送されたが、2戦目に関していえば、地上波、BSの中継が見送られている。
局全体として視聴率好調をキープする同局は、ここまで月間三冠王の記録更新を継続中だが、順風満帆とも言える経営基盤の中で、数少ないネックが、実は巨人戦中継なのである。今季の視聴率も泣かず飛ばずの超低空飛行。特にナイター中継がひどく、視聴率1桁台は当たり前、5%を切ることも珍しくなかった。
「今年は地上波でのうちの巨人戦中継は19試合でした。そのうちデーゲームが14試合で、ナイターについてはわずか5試合にまで削減しました。その代わりに放送権料が半額以下となるBS、CSでの放送数を増やしていちおう補填した形ですが、これは、はっきり言って気休め程度のもの。そもそもゴールデンタイムなのに視聴率もろくに取れず、時に放映権料が1億円前後(地上波とBS、CS放送のセット額)にもなるため、地上波ナイター中継は今や足かせにしかすぎないコンテンツです。だから、今後はそれを段階的に減らして、何とかゼロにしたいというのが日テレ幹部たちの総意。とにかく、うちのトップたちは周囲に対して事あるごとに『今の巨人戦中継は不良債権。このまま保有していたら、うちは本当に経営破綻してしまうぞ』と露骨にグチっているぐらい」(日テレ関係者)
8月上旬の日テレ定例会見では、大久保好男社長も「巨人戦の視聴率は低下しているのは事実」としたうえで「残念に思っています。とてもこのままでいいとは思っていません」と顔をしかめたほどである。
それでも巨人戦中継を担当する現場スタッフたちは思い入れもあって、何とか視聴率が息を吹き返してほしいと真剣に願っていた。頼みの綱は、今年から巨人の「顔」になった高橋監督。ところが、そのスタッフらの熱き思いも、新指揮官によってトーンダウンさせられたというのだ。
今季開幕直前のこと──。