政治

小池政治塾もビックリ?小泉進次郎が絶賛する「官民交流塾」の危うい実態

20161117j

 小池百合子都知事(64)が立ち上げた「希望の塾」が話題になる一方で、ある「官民交流塾」が問題視されている。何しろ、塾の名を借りたお遊び感覚の会だというのだから‥‥。

 その名も「フォーラム21梅下村塾」。87年に設立されたこの交流セミナーは、経団連会長だった今井敬氏が「平成の松下村塾たれ」との思いを込めて命名したとされる。今期で29期目、修習生は950名に上るというこの塾の概要を、元塾生の企業幹部が解説する。

「各省庁の官僚と企業の幹部候補が集う会で、1年間通しでテーマを持ち、いくつかの官民混合グループを作って活動します。参加する企業は何十社もありますが、各業界ごとに代表1社のみ」

 企業の顔ぶれを見ると、三菱商事、JR東日本、全日空、サントリー、ヤマト運輸、花王、東京電力、ソニー、読売新聞社‥‥と、そうそうたるもの。企業幹部が続けて言う。

「経費は各企業の寄付で賄われ、官僚はタダ。『日本の将来を考えている』という大義名分があるため、行きたいところがあればどこにでも行けるし、会いたい人がいれば誰にでも会える。おまけに有休扱いで、本当にいい1年間を過ごさせてもらいましたよ(笑)」

 今期生(42人)は「日本を再構築する」というテーマの下、「安全保障」「社会システム」「経済」「日本人らしさ」など4つのカテゴリーに分かれ、1チーム10人ほどで活動したという。塾関係者が明かす。

「各分科会の活動はだいたい週に2回。個々の業務が終わってから集合し、終電時間まで議論を繰り返すという名目ですが、とどのつまりが飲み会です。さらに『知識吸収活動』として、コネを最大限使って民間人が入れない施設を視察したり、企業の研修施設で勉強会を開いたり。これも実態は、仕事をササッと片づけて、あとは大宴会、というのがお決まりのコース。裸踊りの余興が恒例ですね」

 何ともハレンチな「勉強会」だが、その視察場所はテーマによって異なり、農水省の官僚が「福島原発を見学したい」と言えば東電がただちに手配し、iPS細胞の山中伸弥教授の研究所などにも繰り出す。特に人気なのが御殿場にある自衛隊駐屯地だったそうで、

「ここは防衛省からの指示で民間人は入ることができない場所が見学できるため、毎回一番人気。さすがに実弾は撃たせてもらえませんが、迷彩服でほふく前進したり戦車に乗り込んだりと、大の男がキャーキャーと大ハシャギしていました。そういえば、秋葉原ではアダルトグッズの見学もしましたよ」(前出・企業幹部)

 そのアダルトグッズとは、ラブドールのこと。もちろんこれも「日本の将来」を考えるための見学だろう。

 移動費は全てJR東日本と全日空が負担するが、

「行き先は北海道から沖縄まで多岐にわたり、1年間の最後には台湾やシンガポールなどへの研修もあって、それも全日空がビジネスクラスを手配してくれる。会員は皆、この研修を『思い出旅行』と呼んでいましたね。要は『大人の修学旅行』ですよ」(前出・塾関係者)

 10月31日、「日本未来話」(丸善プラネット)なる書籍が出版された。これは1年間の交流セミナーを終えた29期生が、そこで得た知識や学びをまとめたものだという。その帯には小泉進次郎氏(35)の写真とともに、「2020年以降の日本を真剣に考える人たちが、ここにもいた!」の絶賛推薦キャッチコピーが。同書には多くのページを割いて〈1年間大量の汗を流し続けてきた私たちだからこそ、語れる話がある!〉といった熱い思いがつづられ、最後は主宰者である塾長の言葉で締めくくられていた。

〈まさにこの1年間全精力を傾け、この国のかたちを議論してきた。(中略)これほどまでに、この国を考え、この国の将来を真剣に議論したことは、彼たちの血となり肉となっている。(中略)次代のリーダーとしての自覚と自信をもって、これからの日本を変えていってくれるだろう〉

 さて、何をどう変えていってくれるのやら‥‥。

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