進次郎といえば、その政界での存在感ばかりがクローズアップされるものの、具体的にどのような政策があるのかいまひとつ見えにくいのも事実。
前出・永田町関係者によれば、
「政策としては『明るい未来のための社会保障』や『より平和で安定した安全保障環境の追求』をあげていますが、具体性に欠け大ざっぱな印象が否めない。進次郎本人も自覚しているようで、メディアの単独取材を拒み続けているのは、政策面を突っ込まれたくないからだとも言われています」
だが、今後は与党の一員として法案を実現していく責任が生じる。有権者もより具体的な政策論を求めてくるはずだ。
「進次郎自身が、すでに弱点克服のための準備は怠っていない。同期議員との勉強会では、財務官僚に予算作成の方法を聞いたり、シンクタンクのスタッフに再生可能エネルギーについてのレクチャーを受けたりもしています。また、国会で普天間基地について質問する際には、軍事アナリストにレク(説明)をしてもらう周到さがある」(前出・永田町関係者)
安倍総理同様、改憲論者でもあるようで、09年の初出馬時に読売新聞のアンケートで「改憲はしたほうがよい」と回答。改正項目として「自衛軍保持」などをあげている。
進次郎を長く取材し続けている政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう話す。
「外交や安全保障などの大きなテーマについては、まだ勉強中というのが現状でしょう。ただ、内政については着実にステップを踏んでいる。被災地復興には、総務、経産、国交、厚労など多くの省庁が関わってくる。1期目の3年半、被災地を徹底的に回ってきたことによって、これら内政官庁のマター(問題解決の手法)については間違いなく精通してきている」
青年局長としての活動や国会での発言を通じて、浮かび上がってくるキーワードが「地方蜂起」である。
自民党関係者が明かす。
「進次郎が務める青年局長のポジションは地方の意見をくみ上げて、それを国政に反映させるという役割もある。加えて重点政策として震災復興を掲げ、何度も被災地に足を運び、被災者たちと意見交換を繰り返した実績は大きい。これまでの自民党は地方の声や若手の意見が中央に届きにくかったが、進次郎はこの状況を一変させようとしている。つまり、政策よりも地方や若者の先兵として国会から発信することが、政治家としての当面の目標なのです」