2月22日に、進次郎氏は島根県主催の「竹島の日」式典に出席した。早くから式典出席を表明していたが、この行動も“持論と正論”に基づくものだった。
前出・政治ジャーナリストはこう話す。
「進次郎氏は野党時代から県主催の式典に出席しており、与党になっても変わらないという信念を貫いた。進次郎氏は式典出席を早々に表明したが、そのために自民党執行部からは『出席するな』という圧力がかかりましたが、それでも屈することはなかった。それも、自民党は政府主催の式典を行うと公約で示していた、という正論ではね返したようです」
国民との約束を果たさず、今年の政府主催の式典開催を見送るだけでなく、県の式典には閣僚さえ出席させなかった。そんな政府の韓国に遠慮した態度よりも、進次郎氏の行動のほうが誰しも納得できる。
しかし、TPPに関してはどうか。正論を振りかざし、持論を貫くことができるのか。
前述の予算委員会で進次郎氏はこう主張した。
「現在、11カ国が交渉に参加していますよね。(中略)それぞれ各国が守るべき聖域を作り上げようと思っている場だから、交渉をするんじゃないですか」
どこか、いつもの歯切れのいい進次郎氏の弁舌とは異なるようにも聞こえる。「聖域なき──」は交渉の前提条件だったのに‥‥。
はたして、これから本格化するであろう「反TPP議員」とのバトルを乗り切れるのか。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう話す。
「日米首脳会談以前から、安倍総理の腹は『交渉参加』で定まっていました。反対派の議員たちが納得できる落としどころを探っている状態でした。もちろん、進次郎氏は予算委員会で質問に立ち、自説であったTPP推進の立場を鮮明にしただけでしょうが、結果的には、安倍総理がしなくてはならない“地ならし”に、早くから助け舟を出したと言えるでしょう」
すでに、進次郎氏の頭の中には、「TPPバトル」を勝ち抜く方程式はできていたのかもしれない。