昨年の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ターミネーター:新起動/ジェニシス」、今年公開の「ゴーストバスターズ」シリーズなど、かつての大ヒットシリーズのリブート映画がハリウッドで大流行している。
元の作品を新たなスタッフ&キャストによって同じテイストに作り直すリメイク映画に対し、リブート映画は世界観やキャラクターを部分的に踏襲しつつも全ての要素を仕切り直してシリーズを再起動させるもの。来年3月には「キングコング:髑髏島の巨神」が公開予定で、他にも87年に公開された「プレデター」第1作のリブート版(18年3月全米公開予定)があり、日本で98年に公開された「スターシップ・トゥルーパーズ」のリブート版の企画も発表された。さらにマーベルやDCなどのアメコミヒーローものを加えると、今後のハリウッドの注目大作のほとんどがリブート版で埋まってしまいそうな勢いだ。
「なぜリブート映画がこれほど増えたのかというと、莫大な製作費がかかる大作には認知度の高いヒットシリーズが安全パイであることと、何より企画の多くが70~80年代のSF映画を原点にしていて、それを子どもの頃に観た世代が製作の最前線にいることが大きいと思います。自分が熱狂した映画を、最新のVFXを使って自分の手で再生させる。言ってみれば夢の具現化ですが、全米で炎上騒ぎが起きた『ゴーストバスターズ』の例を見ても、原点の作品と比べられるリブート版は観客の評価基準がより厳しくなる傾向があるようです」(映画ライター)
新たなSF映画のレジェンドになれるのか。量産されるリブート映画の今後に期待したい。