12月15日より全世界同時公開される「スター・ウォーズ(以下=SW)」シリーズ8番目のエピソードにあたる、ディズニー配給の最新作「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」。さすがと言うべきか、週末は都内23区内のほとんどのシネコンでIMAX3Dや4DXはすでに全回完売、通常スクリーンも早朝や深夜などの回に若干空席が見つかる程度という大盛況ぶり。早くも「今年の正月映画で1強」と言われるパワーを見せつけている。加えて、気になる作品内容も全世界で高評価だというから、ファンならずとも胸躍る…かと思いきや、意外な声が聞こえているという。
「アメリカの業界誌ハリウッド・リポーターは『シリーズ自体を生き生きとしたものにしている』と新たに抜擢されたライアン・ジョンソン監督のアプローチを高く評価、イギリスのロンドン・タイムズ紙は『スター・ウォーズ史上最高傑作』とまで評している。駄作映画には平然と星ゼロを付ける、辛口のローリング・ストーン誌でさえ『ファンが探し求めていたスター・ウォーズ』と三つ星半(満点は四つ星)の絶賛。これを聞くかぎり期待が高まる一方なのですが、実は熱心なファンほどこれらの高評価に『これは心配』と不安を抱いているようなのです」(CD&DVD専門誌記者)
というのも、SWシリーズはこれまであまり評論家とファンの気持ちが一致したことがないシリーズ。公開2作目にあたる「帝国の逆襲」(エピソード5)は双方から評価が高いものの、ジャバ・ザ・ハット、イウォークなど後の人気キャラが登場、レイア姫の艶っぽい衣装やステディカムを駆使したアクションシーンなども話題となった一大エンタメ作、「ジェダイの帰還」(エピソード6)は当初、評論家の声は芳しくなかった。ところが、清々しい大団円を迎えるあの作品が一番好きだという声はいまだに多い。
「つまり、最新作の高評価はファンが求めるエンタメ要素の部分ではなく、ストーリー展開に重きを置いたものではないかという心配なんです。事実、主人公の女戦士レイの立場が揺れ動き、善VS悪という単純な戦いとは違う方向へ向かっていくとも言われています。でも、多くのファンがSWに求めているのは、他にはない映像やキャラクターに対するワクワク感。前作も事前評価はそれなりに高かったが、フタをあければエピソード4の焼き直しでした。はたして、今回は高評価を鵜呑みにして期待どおりにいくのかどうか(笑)」(前出・CD&DVD専門誌記者)
ネット上でも「評論家の絶賛は本当にヤバイ」「昔みたいに派手に楽しませてほしいけど‥‥無理かな」など、心配する声が少なくない。そうはいっても、お正月映画の目玉。そんな心配が杞憂に終わることを祈りたい。
(塚田ちひろ)