7月20日、大ヒットを記録した映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」とその続編の脚本・監督を担当したジェームズ・ガン氏が、SNSにおける過去の不適切な発言を原因に、製作会社のディズニーから解雇されたことは、世界中の映画ファンに大きなショックを与えた。
「彼が過去に発した性的暴行、そして小児性愛に関する内容は、ファミリー映画で売っているディズニーにとっては大ダメージ。しかし、当該の発言に関して彼はすでに謝罪していますし、その一部に関しては10年も前のもので、彼がディズニーと仕事をする前のものです。今さらなぜこのような判断が下されたのか、正直、謎ですね」(映画ライター)
何らかの意図があるかどうかはわからないが、とにかくディズニーにとって、性的問題と社名がイコールに扱われることは何よりのタブー。ハリウッドに広がる#Me tooなどの各ハラスメントに対するムーヴメントの盛り上がりも手伝い、このような事態に発展している。
しかし31日、沈黙を守っていたクリス・プラット、ゾイ・サルダナ、ヴィン・ディーゼルほか「ガーディアン」のメインキャストたちが、Twitter上で共同コメントを発表。ガン監督への全面的な支持を表明するとともに、仕事仲間としての厚い信頼、彼の謝罪が本物であると確信する、と熱い想いを語ったのだ。
「『ガーディアンズ──』は、宇宙のならず者たちが絆を結んで正義のために戦う、まさに贖罪の物語。特に続編は、悪役だったヨンドウの“罪”を許すクライマックスが、一番の泣き所でした。キャストたちは『今すぐガン監督を戻せ!』とは声高に叫んではいませんが、今世界が求めているヒーローが誰かは、もうみんな気づいているのではないでしょうか」(前出・映画ライター)
悪人は一生悪人、それがディズニーの考えなのなら、それもまたひとつの差別ではないか。映画で描いた「罪を許す」ことを無しにしてしまうのは、それこそ子供たちへの裏切り行為になりはしないだろうか。