70年安保決戦を目前にして、警視庁と半代々木各派の学生の衝突はエスカレートするばかり。69年4月28日の沖縄デーは荒れに荒れた。
アサヒ芸能1969年5月8日号では、過激各派の動きを追っている。
〈午前4時頃にはML派の学生が佐藤首相私邸(東京・世田谷)を襲ったものの、約10分後に追い散らされた〉
中核派は首相官邸になだれこもうとする。中核、社学同中心の750名はお茶の水駅周辺でジグザグ行進する。
武器もエスカレートする。26日早朝、早稲田大学を警察側が急襲。凶器などを押収した。内訳は角材530本、五寸釘付ゲバ棒33本、竹ザオ16本、コンクリート・ブロック1863個、コーラ空瓶500本、ガソリンビニールタンク5個、塩酸ビン13本、石のかたまりドラム缶5杯、リンゴ箱10箱となっている。
一方、警察は三個師団の機動隊増設で、制服、私服を入れて1万2000人という、かつてない規模である。
「やるか、やられるか」ゲリラ市街地戦で死傷者が多数出て、いまも苦しんでいるという、過激各派と機動隊の内戦の火ぶたは切って落とされたのである。