社会

鎌田慧☓落合恵子「脱原発」で激論120分(2)

既存媒体が機能していない

─朝日新聞の扱いが意外に小さかったですね。

鎌田 世論が動くとマスコミもそれなりに対応するんだけど、朝日というのは全然対応しない。社説や天声人語でカバーしているが、社会部だけが冷淡なのです。去年9月の6万人集会も1面に小さな写真を載せただけでお茶を濁しましたが、今回の1面トップはウナギ。魂はどこにあるのか。マスコミ人も市民。個人的には放射能の不安におののいても会社に行くと放射能なんて怖くなくなってしまう。朝日新聞って、どこか特権意識があるから上から目線なんですよ。もう朝日の購読をやめたという何人かから電話をもらいました。

落合 その点、市民感覚で動いている記者もいた。あらためて個人の資格で来ている取材者もいた。

鎌田 取材者がデモに参加するなんて、この何十年かなかったことです。

落合 マスコミは客観報道にがんじがらめになっています。これまでは両論併記型でしたが、原発推進派が国を支配してこんな事故を起こし、今また再稼働した。それに対して多くの国民が危機感を抱いている。もうそろそろ、両論併記型から卒業すべきですよ。

鎌田 原発というのは、この世にあってはならないということが今度の事故ではっきりした。

落合 細野(豪志=原子力行政担当・環境大臣)さんのように、もっと「慎重に安全を確認して再稼働させる」のではなく、原発と人間は共存できない、あってはならないってことを前提にしなければならないと思います。

鎌田 メディアの役目は権力の監視なのに、日本のメディアは権力に尻尾を振ってきた。落合 例えば、評論家も原発推進か反対かの2つにはっきり分かれた。評論家というと、玉虫色というか、どちらにも取れるようにうまく言って生き抜くことができたのに、それが通用しなくなりました。マスコミには昨年からたいへん失望させられましたが、一方、希望も見える。この際、新しいメディアを自分たちの手で作ろうという動きも見えます。ネット支持者の力で社会を変えたエジプトやチュニジアの例もある。

鎌田 これだけいろんな情報がネットに流れると、もはや新聞やテレビは特権階級じゃないですよ。原発事故が発生した時、新聞は書くとパニックになるから、チェックしたと言います。しかし、情報はちゃんと流して、逃げるべき人を逃がさなければならなかった。政府より人間が大事。

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