社会

鎌田慧☓落合恵子「脱原発」で激論120分(1)

「脱原発」が大きなうねりを見せている。総理官邸を取り囲む、原発再稼働への抗議集会から始まった機運は、7月29日に行われたデモにおいても、国会周辺を埋め尽くした膨大な数の市民の行動を呼び起こした。その呼びかけ人でもあるルポライターの鎌田慧氏と作家の落合恵子氏が緊急対談! 「命よりお金優先」が生み出した「原発依存社会」を痛烈批判した。

 

原子力の事故は二度と御免

鎌田 脱原発の世論がこれだけ盛り上がっているのに、なぜ野田政権は大飯原発3、4号機を再稼働したのか。それは原発を止めたまま暑い夏が終わってしまうと、やはり原発なんて必要ないということが国民にわかってしまうからです。

落合 国民の多くが、あんな悲惨な事故は二度と御免だと思って立ち上がっているのに、これほどの裏切りはありません。

鎌田 病院なんかは、皆、自家発電装置を持っている。したがって停電しても人工透析の患者がそれで亡くなることなどありません。もし電力が足りなくなる分野があれば、そこに重点的に供給すればいい。

落合 この猛暑でも電力は不足していないという事実があります。そのことを、私たちは忘れてはならない。国外に(原発を)輸出したいから、足りてることを知らせたくない、そして原発を再稼働し、意図的にウソを言っています。

鎌田 産業界と政治家がくっついて国民をだましている構図が見えてきましたね。

 7月16日、代々木公園には17万人もの市民が脱原発を求め集まった。抗議活動は盛り上がり、29日にもやはり大量の市民がデモに参加し、国会を取り囲んだ。野田総理が「病院が停電したら、患者の命に関わる」「原発が止まったら、日本社会は立ち行かない」と言って、7月1日、大飯原発の再稼働に踏み切ったことへの抗議である。

落合 代々木公園で17万人集会があった日、集会は午後からでしたが、原宿駅など最寄りの駅を回ってみると、9時前から「あれは音ではない。声だ」と書いたプラカードを持った方がいたり、お弁当を広げた若い家族連れがいた。大きなおむすびをほおばっている子供やひまわりの造花を持った高校生、車椅子の方もいました。60年、70年の安保を知る私には、あの頃とまた違った、ひとりひとりの意思表示に見えました。

鎌田 あの頃は労働組合が中心になってやった。皆、まなじりを決してやって来るわけですよ。組合に力があったから、組合員を大量動員して国会前に集まってくるという感じだった。弁当を広げている人はいませんでしたね。今回の運動の作りも、社共や労働組合の幹部は壇上へ上げていないんですよ。市民の集会だから、呼びかけ人が演壇に上がってスピーチした。

落合 気温は33 度。あの場に5時間座っている人もいた。皆、魂が動いた。

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