7年も前に発生した「島根女子大生バラバラ殺人」が急展開したのは、16年12月17日のこと。犯人は事件発覚2日後に事故死した、前科持ち。男のデジカメには、被害者を“解体”する鬼畜の所業が残っていた──。
09年10月26日夜、島根県立大学1年生の平岡都さん(当時19歳)が、バイト先から帰宅途中、突如として行方不明になった。捜索願を出した家族の願いもむなしく、11日後の11月6日、広島県との県境にある臥龍山山中にて、打ち捨てられた平岡さんの頭部が発見される。殴打され、足で踏みつけられた跡もあった。
「2日後には両手両足のない胴体部分が見つかりました。肋骨が見えるまで乳房がえぐり取られ、性別がわからないほど性器が切り刻まれていました。さらに腹部からは内臓が抜き取られ、直接火をつけられた跡まであった」(社会部デスク)
山中からは、肉が完全に削ぎ落とされた左大腿骨足首などが発見される。
すぐに島根・広島両県警の合同捜査本部が設置され、大がかりな捜査が開始された。激しい遺体の損壊状況から、当初、犯人は平岡さんに恨みを持った知人かと思われていた。
「現場付近を走行していた不審車両や、被害者の交友関係をしらみ潰しに当たったが、確たる証拠は得られなかった。レンタルビデオ店でスプラッター映画を借りた人のリストまで調べ上げました」(社会部記者)
この7年間で動員した捜査員は延べ31万人。しかし、12年には死体損壊・遺棄罪は時効を迎えた。
「今年に入ってから、警察は、当時現場付近に住んでいた人たちの『性犯罪』の経歴を洗い直しました。そこで、矢野富栄(よしはる)容疑者(当時33歳)が浮上したのです」(前出・社会部記者)
矢野容疑者は当時、平岡さんの住む島根県浜田市に隣接する同県益田市に住んでいた。出身地の山口県下関市の住宅設備会社に就職し、現場付近でソーラーパネルの営業をしていた。そしらぬ顔で社会生活を送る矢野容疑者には、前科があった。
「福岡県北九州市や東京都杉並区で3件の事件を起こしていました。通りがかりの女性に刃物を突きつけ行為に及ぼうとし、ケガをさせ、懲役3年6ヶ月の実刑判決が下っています」(前出・社会部記者)
16年夏頃から、下関市内の矢野容疑者の実家に、頻繁に捜査員が訪れるようになる。
地元住民が話す。
「その家には(矢野容疑者の)弟夫婦が住んでいて、そこから容疑者の遺品が押収されたみたいだ」
遺品の中にはデジタルカメラとUSBメモリーがあった。画像が削除されていたが、警察は画像を復元。そこには、おぞましい犯行状況が映し出されていた。
「遺体の切断に使われたと見られる文化包丁や、頭部切断の前後の状況を写した画像だったのです。首を絞めた痕跡も確認できた。撮影場所は矢野容疑者の借家の浴室。1時間半にわたり、遺体を解体して、くまなく撮影していたようです」(前出・社会部記者)
写真の状況から、平岡さんは行方不明直後に殺害され、切断されたと見られている。