自衛隊の装備に関しても、私は以前から海兵隊の必要性を説いてきました。本来、離島を守るというのは、海兵隊の仕事なのです。
しかし、自衛隊には海兵隊はありません。陸上自衛隊に西部方面普通科連隊という部隊があります。これだけでは我が国の広大な離島地域には対応できない。だから、艦船や航空機に乗り込んで、多様な事態に対処しうる、海兵隊的な機能を持つ部隊を拡充することが必要だと思っています。
米国は、尖閣も日米安保条約第5条の対象だと言いました。でも、漁民がやって来たぐらいでは、日米安保なんて適用されるわけがない。日米安保の対象だから大丈夫という話ではなくて、日本国としてきちんと法整備し、海上保安庁の能力を高め、自衛隊に海兵隊的機能を持たせ、警察、海上保安庁と自衛隊の連携を強化し、あの海域において日米が合同軍事演習を行うことも視野に入れたうえで、さらなる運用の改善も行い、同時に実効支配を強めていく。これが、尖閣を守ることになるわけです。
では、竹島はどうなのか。韓国が不法占領してから半世紀が過ぎても、「実効支配を強めて」おり、まさに「領土を守る」態勢を固めている。それどころか、今回の韓国の対応を見るかぎり、日本に譲歩する気配すらない。やはり、軍事力を行使してでも、竹島を奪還するしかないのではないか。
尖閣と竹島では、対処のしかたは違うのです。竹島が実効支配されている現状で、領土を武力で取り戻すという選択肢はありえない。尖閣における防衛強化策は考えられますが、竹島に関しては国際法にのっとった包括的な外交手段を取り続けるしかないのです。
今回、国際司法裁判所への提訴へ踏み切ったわけですが、このまま韓国は応じないでしょうから、裁判は開かれません。それでも、国際社会に竹島問題をアピールできるという点において、大きな意味があると思っています。
私は拉致議連の初代会長であったわけですが、拉致問題とは何か、北朝鮮がいかに非道なことをしているか、そういう事実を英語、フランス語、ドイツ語など、多くの外国語に翻訳して、議連関係議員が外国に行くたびにパンフレットを持って行き、伝えるよう努力しました。
これと同様に、政府と議員は折に触れて、「竹島は日本固有の領土であり、韓国の不法占拠は許されない」ということを徹底的にアピールしなくてはいけないのです。