X JAPANがが3月17日、日本国内では29年ぶり、メジャーデビュー後では初となるサイン会を東京のタワーレコード渋谷店にて開催した。
会場となった店舗には屋内駐車場がなく、メンバーは店舗横の車寄せで送迎車を乗り降りするため、会場入りや退出の様子は外から丸見え。現場には出待ち入り待ちのファンも数多く詰めかけていたが、店舗前の車道がファンで埋め尽くされたり、ファンが将棋倒しになるといったパニックには至らなかったようだ。
同じ渋谷では他の人気バンドがゲリラライブを敢行し、観客が殺到して警察が出動した例も珍しくない。そんな事態が伝説級の人気を誇るX JAPANのサイン会で発生しなかった理由を、音楽ライターはこう推測する。
「会場の周辺では一部のファンが自主的に交通整理をしたり、冷静な行動を呼びかけていました。他のファンもその指示におとなしく従っており、我を忘れて駆け出すような人はいなかったのです。X JAPANは89年のメジャーデビューで、ファンの中心は40代ですから、みな分別のある大人になっているようですね。そのへんは若いファンが中心となっている今どきのバンドやグループとは大きく異なるところでしょう」
現在に至るまで活動を続けているX JAPANだが、97年には一度解散を発表し、同年の大晦日に東京ドームでラストライブも開催している。その当時を知るファンは、自分たちがパニックを巻き起こすことでX JAPANの活動が制限されることを誰よりも避けたいはず。そんな自制心が、円滑なイベント進行を生み出していたようだ。
(金田麻有)