東証一部上場の大手芸能事務所、アミューズの株主総会が6月25日に東京・両国国技館で開催された。同社では所属タレント・小出恵介の不祥事により数億円もの損害が発生するといわれており、今回の株主総会にも高い関心が寄せられていた。ところがいざ総会が始まると、これといった混乱もなくスムーズに終了したというのである。
「総会の冒頭では社長以下経営陣が小出の件に関して深々と頭を下げ謝罪。その後の質疑応答では数人の株主から小出の今後や会社側の管理体制に関する質問は出たものの、特に荒れることもなく終了しました。ほぼ無風だったとあって、会場に押し寄せたマスコミ陣も拍子抜けした形です」(芸能ライター)
それにしても、小出の件は連日マスコミで大きく取り上げられ、アミューズの業績にも影響を及ぼすと言われていたはず。それでも株主から不満が出ないとは不思議な気もするが、経済記事を担当する週刊誌記者は、「今回の無風は当然」だと指摘する。
「株主にとっては業績と株価が最も重要な関心事ですが、この2つが極めて順調なんです。直近の17年3月期には同社として初めて営業収入が500億円を突破。主力のアーティストマネージメント事業では413億円を叩き出し、小出騒動による数億円の損害も影響が軽微なのは明らかです。好調な業績を受けて株価は小出騒動前の5月16日に同社初の3000円代に乗せ、騒動直後の6月12日には3010円と、3000円台を割りそうになったものの、現在に至るまで3000円代をキープ。経営的にアミューズが優良企業なのは明らかで、小出騒動など株主にとっては取るに足らない小さなトラブルだったというわけですね」
これがアミューズのような大手ではなく小出ひとりに頼るような小さい事務所だったら、今頃は会社存続の危機にあったはず。小出も今頃、大手芸能事務所に所属している幸せを噛みしめているかもしれない。
(金田麻有)