「以前は“極秘診察室”の利用頻度も月に1、2回ほどでしたが、5月中旬からはG7に出席するためイタリアを訪れていた27日以外、毎週土曜日に決まって3時間ほど滞在するようになりました」(永田町関係者)
そして最後のよりどころとなる治療は、驚くべき内容だったのである。
「症状を少しでもやわらげるため、効果的な治療は『便移植』であり、それをやっていると聞いています。潰瘍性大腸炎の一因とされるのが、腸内における数百種類の細菌の乱れ。『腸内フローラ』とも言われる細菌バランスを整えるため、健康な腸内細菌が含まれた他人の糞便を移植するんです。厳格な条件に合格したドナーの便を生理食塩水に溶かし、内視鏡を用いて患者の大腸内に注入していく。この治療を行うためには、それなりの機材をスイートルームの部屋に持ち込まなければいけない」(慶応病院関係者)
この聞きなれない治療法について、総合診療医の谷口恭氏が解説する。
「糞便移植を日本で実施している医療機関は一部の大学病院などに限られます。しかも『研究』のレベルであり、希望すれば誰にでも受けられる治療ではありません」
限られた人間しか受けることができない治療は、はたして総理にとって一筋の希望となるのだろうか。谷口医師が続ける。
「僕の知るかぎり、いいデータは出ていません。CD(クロストリジウム・ディフィシル=細菌の一種)の治療ではいい成績が出ていますが、それ以外の疾患に対しては僕自身も懐疑的です。CDのように比較的短期間で発症した疾患なら、まだ腸管粘膜が健康な状態に近い。ところが、潰瘍性大腸炎のように長年生じていた炎症は、そう簡単に治らないと考えられるからです」
それでも、安倍総理は週に1度という頻繁な“秘密の診察室通い”をしている。官邸関係者によると、安倍総理は満足げに「これが効くんだよ」と、治療を知るごく親しい人間に語っているという。まるで、自分に言い聞かせているかのようだ。
「ここまで健康をアピールするのは来年、憲法改正を発議する覚悟を固めたからです」(全国紙政治部デスク)
さる自民党の大物幹部も担当記者を招いた食事会の席上、安倍総理の胸中を忖度して明言したというのだ。この大物幹部は森友、加計学園両騒動で反安倍運動を繰り広げた朝日、毎日新聞の2紙と民進党、共産党の名をあげ、
「左翼連合が今回の国会で学園ドラマをやりすぎた。改憲を阻止するために退陣を狙ったんだろうが、逆に安倍さんに火をつけてしまったな」
と語気を強めたという。