官邸関係者は声を潜めてこう切り出した。
「現在、主治医を複数つけ、大がかりな医療チームを形成するほど病状の変化に細心の注意を払っています」
総理は長年、慶応病院と懇意にしており、同医学部教授だったH医師が長い間、主治医を務めてきた。総理の持病である潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患の権威だ。H医師が13年3月末で定年退職を迎え、都内にある別の学校法人が運営する病院に「転勤」したことで、14年末頃に主治医から外れ、後任として慶応病院のT医師が就任したとされている。
「とはいえ、実を言うとH医師は今でも事実上の主治医のままです。総理がジムに行く日は、H医師が住む都内の自宅に官邸護送車が迎えに上がることも。もともとT医師はH医師が主治医の時代から医療チームに参加していた。T医師は慶応病院消化器内科の幹部であり、潰瘍性大腸炎が大腸ガンに移行した際の権威です。と同時に、病院内の腫瘍センターにも所属しています」(慶応病院関係者)
輪をかけて安倍総理の健康状態が気になるところに、今回、「第3の主治医」までが途中から就任していたことがわかったのだ。
「慶応病院の漢方医学センターに勤める医師が加わったんです。西洋医学に基づく治療だけでなく、東洋医学にまで活路を求めるようになったということでしょう」(官邸関係者)
完治が難しいとされる潰瘍性大腸炎。おまけに安倍総理は10代で発症しているため、すでに完治を目指すのではなく、3人の医師の連携により、症状を落ち着かせる“寛解”を目的とした治療を行っていると見られている。
「安倍総理が日常行っている内科治療では、抗炎症薬の『アサコール』と『ステロイド剤』の2種類を中心に服薬しています。後者は効果が強く、長年の闘病生活で荒れた腸内にも効き目がありますが、体への副作用がとても強い。総理の赤ら顔や、ムーンフェイスと呼ばれるむくみもその一因であると思われます」(前出・慶応病院関係者)
心身ともにギリギリの線で公務をこなす安倍総理に副作用がいっそう重くのしかかっているのは想像にかたくない。とはいえ、“症状が悪化して退陣”という第1次政権の二の舞は避けたいだろう。苦慮した結果、「大建中湯」なる漢方薬も処方されているというのだ。
週刊アサヒ芸能連載でおなじみ、帯津良一医師によれば、
「おなかを温め、痛みを取る働きがあり、慢性胃炎、慢性腸炎、腸閉塞に用いられます。私たち外科の領域では腸閉塞の危険のある患者に予防物として用いることが多いものです」
だが、原因とされる強いストレスからは解放されないばかりか、加計学園疑惑では官僚からも表立って牙を剥かれ、続々と追及の手が伸びてくる始末である。