10月7日公開、北野映画最新作「アウトレイジ 最終章」の情報が、いよいよ解禁になりました。待ちに待った情報公開に、つい先日、「殿、いよいよ予告編が、ネットにあがり出しました。やっぱりみんな興奮して、飛びついてますね」と、ツイッターにあがった予告編に対する、とてつもなく多い「いいね」やリツイートの数について報告すると、
「何? 結構、盛り上がってる? みんな喜んでるか?」
と、まずは軽いリアクションを示すと、
「あれか? お前はもう試写で俺の映画観たんだっけ?」
と、殿の弟子というだけの理由で、2週間程前、ひと足お先に拝見していたわたくしに聞いてきたのです。
「はい、もう最高でした。興奮して興奮して。2時間、あっちゅう間でした!」
そう即答すると、以下、こんな会話が続いたのです。
「結構、興奮した?」
「はい。しまくりましたよ」
「ちょっと笑う場面もあるだろ?」
「あります、あります。あそこもよかったですね~」
「そうか。じゃー少しは客入るか?」
「いやいや、入りますとも。また今ネットにあがっている予告編が、観たくなる場面のオンパレードで、あれ見たら絶対映画館に行きたくなりますよ」
(無言でニヤリとする殿)
ちなみに殿とのこういった会話は、この2週間程の間に3回行われていて、殿はわざとなのか、単に忘れているのか。2週間前、試写を見た翌日に「最終章」の感想を熱く語ったはずなのに、幾日か経つと、また、
「あれ? お前はもう試写で俺の映画観たんだっけ?」
と、聞いてきては、先の会話を反復させます。天才は、反復と確認が大好きなのです。で、この原稿を書き出す前日も例によって、
「お前、俺の映画‥‥」
と質問があり、定番のやりとりをひと通りしたあと、
「キッド(浅草キッドね)の二人ももう観たのか?」
「はい。観てますね」
「だったらよ、キッドに電話して、1日3回、ネットで俺の映画を褒めちぎるように言っとけ」
「わかりました」
「あとお前も、公開まで毎日、午前と午後に、ネットなんかに、“今、3回目の『アウトレイジ 最終章』を観て来ました。毎回観るたびに発見と驚きがあり、回を重ねるたびに印象が違う不思議な魅力の映画なんです。あーまた観たい!”ってのを流しとけ」
とにかく、映画公開前の殿はテンションが高く、絶好調です。
「9月はライブがあって(9月5日・ビートたけし単独ライブ開催)、それ終わりで映画の公開か‥‥。あっ、フジの27時間テレビ(今秋、総合司会)もあるのか? ひゃ~こりゃまた忙しいな。まーいいか!」
7月15日の土曜の夜、そんな大きな独り言を楽屋で漏らすと、静かに衣装に着替え、レギュラー番組の生放送に出演すべくスタジオへ向かう、70歳と6カ月になる、殿なのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!