「一線は越えていません」との“迷言”で元SPEEDの今井絵里子参院議員との不貞疑惑を否定してみせた、自民党神戸市議団の橋本健市議。不貞をスクープした週刊新潮の追撃記事により、今度は、橋本氏に政務活動費約720万円を支出して制作した広報チラシの架空発注疑惑が発覚した。
そして、印刷を発注したとされる2つの会社のうち、デザインなどを発注したと橋本氏が説明した神戸市の業者が、8月26日に疑惑を否定する口裏合わせを頼まれたメールなどを公開。
一方、翌27日には、実際に印刷を担当したとされる宍粟市業者の社長が初めてカメラの取材に応じ、「間違いなく印刷をした」と改めて疑惑を否定した。
ところが、その日のうちに自民党神戸市議団は、橋本氏に事実上の辞職勧告をし、翌28日に橋本氏は「この際、自ら議員の職を辞したいと考えるに至りました」と辞任の意向を表明したのだ。
「28日の自民党神戸市議会の代表者会議で橋本氏の辞職の意思が報告されました。ただ、宍粟市の業者は『確かに印刷した』と橋本氏の主張に沿った説明もしているので、本来は橋本氏ももう少し抵抗する余地がなくはなかった」(政治ライター)
それでも、自民党議員団が橋本氏の一刻も早い処分を急いだのにはこんな背景がありそうだ。
「やはり、宮根誠司キャスターが『ミヤネ屋』(日本テレビ系)で橋本氏と名前を言い間違えた野々村竜太郎元兵庫県議の苦い記憶があるんでしょう。彼は議員辞職後、不正使用した政務経費を全額返還しましたが、詐欺などで有罪判決を言い渡されている。あの騒動によって、兵庫県や神戸市の議員に不正のイメージがいまだにある。しかも、今年7月、神戸市で別の政務活動費の不正流用事件で自民党系の3市議が詐欺罪で在宅起訴されています。4月に書類送検された段階では起訴は困難との見方が強かったんですが、神戸地検は厳しい判断を下した。その直後のこの騒動でしょう。不貞で騒動になったのに、絵に書いたように、金にまつわる不正の疑惑も浮上するのでは、どれだけ自民党系神戸市議の中にこうした土壌があるのかと、とられてしまいかねません。これで厳しい処置をとらなければ、他の自民党市議まで疑われてしまうという危機感もはたらいたんだと思いますよ」(前出・政治ライター)
かくして今井絵里子との不貞発覚以来、スピーディに橋本氏は政治家人生から転げ落ちていったというこことのようだ。