テリー 今の話からもわかるけど、せんださんは人脈が広いから、ずっと「仕事がない」って言ってるけど、本当はとだえたことなんてないよね? けっこうイベントの仕事とか多いでしょう。
せんだ アハハ、鋭い。そうなんです。「ウケない、金ない、仕事がない」って「3ない運動」はネタでやってたんです。でも一時、ホントにそうなっちゃったんですよ。で、ヤバいなと思って、言うのを控えたりして(笑)。結婚式やパーティの司会をやらせるなら、日本で一番は徳光和夫さん。あの人にはかないません。でも僕はその次、二番目にいると思っていますから。
テリー 確かに今日聞いていても、70歳のトークとは思えないもんね。何でせんださんがもっとテレビに出ないのか、不思議なんですよ。
せんだ それは逆に、僕がテリーさんに聞きたいですよ。家でテレビを見ていると、「この人、私よりおもしろくないのに」って思うことがいっぱいありますから。これは「妬(ねた)み」「嫉(そね)み」「ひがみ」、“せんだみつおの三み一体”って呼んでいますけど。
テリー アハハハ、スキあらば出てくるなぁ。
せんだ でもね、最近は「後輩をキチンと認めよう」と思うようになりましたね。だって、僕が若い時も「今の若いお笑いは‥‥」って言ってくる先輩がたくさんいたんです。そういうふうになっちゃいけないな、と思えるようになったら楽になりました。
テリー なるほどね。
せんだ だから僕、生意気なようですけど、小堺(一機)さん、(笑福亭)鶴瓶さんとか、後輩にはけっこう好かれているんです。特に小堺さんは、「(ライオンの)ごきげんよう」をやっている時によく呼んでくれてね。彼、「ぎんざNOW!」の卒業生ですから。
テリー ああ、そういえばそうでしたね。
せんだ 関根(勤)さんもね。やっぱり、先輩にかわいがられる、後輩に好かれるっていうのは、人生の宝ですね。何となく、この頃そう思えてきました。
テリー それは、せんださんの持ってる“軽さ”が、そうさせているんじゃないですか。だってせんださん、「大御所」のイメージが全然ないでしょう。これって、すごいことですよ。
せんだ フフフ、昔、桃井かおりさんに「あなたはホントに子分肌が似合う人ね」って言われたことがあってね、ホメられたと思って、納得しましたけど。
テリー それ、絶対にホメ言葉ですよ。だって、みんなに笑ってもらうはずの芸人が重かったら、お客さんはイヤでしょう。
せんだ 確かにね。だからね、僕は「あいつが来ると明るくなる」っていう存在になりたいと、いつも思っていますね。800万人の団塊世代と言われる人が、今度の東京オリンピックの時はだいたい750万人になるんです。その時に何が欲しいかっていったら「元気」と「健康」でしょう。(アントニオ猪木のマネで)「元気ですか! 元気があれば何でもできる。現金なければ何にもできない。カードもない。あるのはパスモと診察券」、そういう時代になっちゃってるんだからね。
テリー ドサクサ紛れに、またギャグを押し込んできたよ(笑)。でも、せんださんみたいな軽い人は、これからの時代、ホントに貴重だと思いますよ。このまま突き進んでください!
◆テリーからひと言
ずーっと昔から知っているけど、よくも悪くも何にも変わらないね(笑)。でもそれが本当にすごい。このまま、80歳、90歳までやり続けてくださいね!