世界で活躍するジャズトランペット奏者・日野皓正氏が中学生に体罰を行ったことが報じられ、日野氏に対する批判が続いている。だが、一方で彼を擁護する声があるのも事実だ。音楽ライターは日野氏の騒動について、こう語る。
「映像を見る限り、かなり激しく叩いていて驚きました。演奏に対しては厳しい面もありますが、日野さんが暴力的だという話は聞いたことがありません。ドラム担当の中学生はドラムソロを延々と続け、まわりの中学生たちもかなり動揺していたようですね。『ジャズなんだから好きに叩いてもいいじゃないか』といった声もありますが、ジャズやフリージャズというのは“デタラメ”とは違います。終着点やキメ、ミュージシャン同士のあうんの呼吸が必要です。それぞれが何もかも無視して好き勝手に演奏したら、観客も聴いてられません。日野さんは何カ月も練習を重ねてきた中学生たちが気の毒だったのではないでしょうか」
叩かれた中学生は自分の非を認め、その両親も「日野さんに指導をやめてほしくない」と発言していることから「中学生も悪いし、本人がいいと言っているんだからいいじゃないか」という声も聞こえてくる。
とはいえ暴力は暴力。現在、海外にいるという日野氏だが、帰国後は何らかの対応をすることになるだろう。
(笠松和美)