阪神タイガース・鳥谷敬内野手(36)が一流打者の栄冠2000本安打を達成した。入団14年目の快挙だ。2003年のドラフトで阪神に入団すると、1年目からレギュラーに定着。その年の9月以降、現在に至るまで試合に出続けている。
今シーズンは顔面にデッドボールを受けて鼻骨骨折をしていても、まさに“ゴッドバード”然としたフェイスマスクを着用しながら打席に立った。昨年、大不調に陥るも、不死鳥の如く蘇り、通算1872安打で開幕を迎えると安打を量産。シーズン中に大記録に到達した。ある大物解説者の話。
「1シーズンで打てるヒットは多くて200本。3割打者であっても150本~180本ほど。ということは、2000本打つには、リーグトップレベルの打撃成績を12~15年間続けなければいけない。大卒でプロ入りすれば、15年後は38歳。大きなケガをすることなく、安定した成績を残してレギュラーを張り続けるということ。鳥谷は、昨年の不振でこのまま終わってしまう恐れもあった。だけど、金本監督に変えられてしまったフォームを戻して復活しましたね。今年のフォームは素晴らしい」
今シーズンのプロ野球は、2000本安打のラッシュイヤーだ。6月にはメジャーリーグで当時アストロズの青木宣親(35/現NYメッツ)が日米通算、中日ドラゴンズの荒木雅博(39)が2000本安打を達成。以降、ソフトバンク・ホークスの内川聖一(35)、阿部慎之助(38)も続き、ついに、鳥谷も達成となったのだ。その鳥谷も働き盛りの30代後半。誰が何と言おうと、プロ野球選手の生き様は、我々サラリーマンの励みになるのだ。
こんなアンケートデータがある。「職場で人望がない人の特徴」を調査したところ、多く挙げられたのが「スポーツに対する理解、興味を示さない人」というものだ。その一例を紹介しよう。
「なぜか勝ち誇ったように『スポーツって何が面白いのか、全然わかんないんだけど』と言ってるヤツ。誰も共感してないし、その説法も全然面白くない」(37歳・印刷)
「ワーカーホリックで土日も大した用事もないのに出社してる上司。週末に草野球やフットサルをやっている人たちを見て『24時間365日仕事のこと考えてないとダメでしょう。うちの部署は趣味禁止!』って無茶苦茶なお触れを出して総スカン」(36歳・出版)
「『オレは会社を背負ってる。この業界を背負ってる』と真顔で言う部長。理想ばかり語って実が伴わない無様な姿は、完全にハンカチ王子状態」(39歳・広告)
何をか言わんや、である。もはや、戒めとするしかない。彼らに鳥谷の2000本達成の凄味を知る目と讃える感性があれば、周囲の共感を呼び、賛同を得られる人になれるかもしれない。