42歳。現役最年長野手の千葉ロッテマリーンズ・井口資仁が9月24日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われる対北海道日本ハムファイターズ戦で引退試合を行う。
井口は交流戦を終えて間もない6月20日に今季限りの現役引退を発表。8月27日には、古巣・ソフトバンク(当時ダイエー)戦で、かつてのホームグラウンドに立ち、惜別の安打を放つと、翌28日に選手登録抹消を志願し、9月24日のラストゲームに備えている。
「若手にチャンスをあげて欲しい」というのが、この日までの登録抹消を志願した理由だった。
「浦和(ロッテの二軍本拠地)で若者と一緒に汗を流したい。原点に戻って、また1カ月(野球が)できたらいい」
チームキャプテンの鈴木大地、2015年ドラフト1位の平沢大河ほか、中村奨吾、三木亮、大嶺翔太ら、チームの将来を背負った若手選手たちはみな、「背番号6」を慕っている。折しも伊東勤監督までもが今季限りの退任を発表しているが、「来季からとは言わない。しかし、いずれはマリーンズの監督に」というのが多くのファンの願いだ。
グラウンドの外から見てもわかる「求心力」が井口にはある。
一転して、世間の職場には「求心力のないリーダー」が多くのさばっているようなのだ。そのような職場は「報・連・相」ならぬ「報告したくない」「連絡したくない」「相談したくない」のスタンドプレーが横行し、それで仕事が回ってしまう成功体験から、辞めていく人が続出してしまうという。
リーダーの人間性は様々だが、不協和音を生み出す人にはある一定の特徴があるようだ。
■心変わりが激しく、軸がブレている
「自分のデスクに恥ずかしげもなく自己啓発本を置いていて、それに影響を受けた指針を打ち出す上司。本の受け売りだから、言ってることがブレまくり」(33歳・商社)
「自分が興味のある仕事をしたい、売り上げを立てないといけない、仕事の質が落ちていると指摘された……その時々の『自分の都合で修飾した理屈』を部下に押し付けて『シゴト』を語る上司。吠え始めると『また始まった…』とみんなが下を向く」(35歳・制作)
■忘却を理由に約束を守らない
「新たなプロジェクトを引き受ける際に、交換条件的にそれまでやらされていたキツイ仕事を軽減する、という約束が盛り込まれていたのに、都合が悪くなると忘れたフリをしてその約束を取り消しにかかる上司」(32歳・広告)
■叱るのではなくキレる
「自分が不利益を被った、よけいな手間を取らされた時だけ激怒する上司」(29歳・営業)
「新人への指導が絶望的にヘタ。叱ることができないから、すごくデキる人か、まったく向上心がない人のどちらかしか残らない」(30歳・IT)
■自分の欲しかった答えしか聞き入れない
「小部屋に呼び出して今後について相談してきたかと思ったら、どうしたいかはすでに決まっていることがわかる話し方。それに沿った答えだけ『やっぱそうだよね』と言う上司。部員全員を個別に呼び出してやっているが、要は決定の責任を分散する言質を取りたいだけ」(38歳・企画)
■劇場型人間で自分が主役でいたい
「安っぽいドラマみたいに、感嘆や内心の独り言を大きな声で言う上司」(34歳・建設)
「『周りは主役の自分を引き立てるために尽くす脇役』みたいに思っている勘違い上司。関わる人を振り回したあげく、自分ひとりだけ、やけに満足げ」(36歳・医療)
こうした「職場を破壊する」リーダーには、井口のように「若手にチャンスを」なんて思考は1ミリもないのだろう。あるいは、その1人を除いて、その部署は案外、結束していたりするのかも知れないが…。