9月28日発売の週刊文春にて、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)のディレクターが東京・荒川区内のホテルで児童との不適切な関係に及んだとして神奈川県警に逮捕されたと実名で報じられてから一週間。
TBSでは発売前日の9月27日に、週刊文春に報道されることを受けて、ディレクター逮捕の事実を認める一方、メディアビジネス局の担当部長を8月28日付けで懲戒解雇にしたことも明らかにしていた。この担当部長は8月14日に危険ドラッグの所持などの疑いで警視庁に書類送検されている。会社員にとって懲戒解雇は最大級のペナルティとなるが、こちらのケースでは、報道を見る限り実名は報じられていない。
「逮捕された『水曜日の──』のディレクターは自身の会社を経営し、番組にはディレクターとして関わっていました。ほとんどのテレビ番組では彼のような外部の制作会社社員やフリーランスが実質的な番組制作を担っており、テレビ局社員はチーフプロデューサーなどごく数人にすぎません。ただしその両者の間には越えようのない壁があり、外部スタッフにとって社員はいわば神様。そして外部スタッフはいつでも切り捨てられる弱い立場にあるんです」(テレビ誌ライター)
前述の定例社長会見で、ディレクターの逮捕に関しては、編成局長が説明。その際に「社員ではありませんが、非常に遺憾に思っております」と発言していたという。
「この『遺憾に思う』とは残念に思うという意味であり、反省を示す言葉ではありません。所詮は外部のスタッフが起こしたことという意識がどこか透けて見えるのです。その一方で担当部長の懲戒解雇については同じ会見で社長みずから『お詫び申し上げたい』と謝罪しており、対応の差は明らか。扱いの格差が露呈した形です」(前出・テレビ誌ライター)
しかし社外から見れば社員であろうが外部スタッフであろうが、同局の人気番組の不祥事については、同じように謝ってもらいたいもの。どうやらテレビ局の体質は外部には理解しがたいもののようだ。
(金田麻有)