「メジャーでキャンプ招待される可能性は1割」
楽天名誉監督に就任して以来、球界の御意見番として君臨する野村克也氏(77)。ついには去就が注目される前レイズの松井秀喜(38)と巨人軍の密約説にまで言及、波紋を呼んでいる。
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ノムさんがレギュラーMCを務めるスポーツニュース「S1」(TBS系)の11月4日の放送で、来季のゴジラ松井がテーマになると、いきなりの衝撃発言が飛び出した。
「巨人を退団する時に裏でいろいろとあったらしい。日本の他の球団と契約できないという密約みたいなものが‥‥」
ゲストの槙原&桑田の巨人OBも言葉を失い、苦笑いを浮かべるばかりだった。夕刊紙デスクが話す。
「ノムさんの『オレは何でも知ってるんだぞ』というような独特の物言いと不敵な笑み、断定しないところもまたノムさんらしい。日本シリーズ優勝決定の翌日、一部スポーツ紙の1面を『巨人大物獲りは松井一本!』の見出しが躍ったやさきだっただけに、野球ファンも驚いたでしょうね」
これまでにも、数々の“密約”が発覚してきたプロ野球界。巨人も、昨年の清武GM騒動は記憶に新しい。ただ、ゴジラ松井と渡邉恒雄巨人軍会長との不仲説は、球界の定説だったはずだが‥‥。前出のデスクが続ける。
「ドーム球場の硬いグラウンド問題、02年のビジター用ユニホームのロゴが『TOKYO』から『YOMIURI』へ変更、メジャー挑戦の時に恩師の(巨人軍終身名誉監督の)長嶋茂雄氏まで担ぎ出しての引き止め工作、さらに背番号『55』を大田泰示に与えたりと、渡邉会長への不信感を募らせるばかりです」
それだけに、今回のノムさん発言の真意やネタ元に注目が集まったという。スポーツ紙記者が話す。
「阪神やDeNAなど複数球団が松井獲得を目指している最中ですから、ビックリさせられましたよ。でも、今回はノムさんの早とちりのようです。ノムさんと長嶋さんは意外なほど仲がよく、松井を高く評価し、将来は監督になるべき人材と認めています。FAで日本を離れる松井に『帰ってくる時は巨人軍だぞ。4番を空けて待っているからな』と、言葉をかけていたミスターが、松井の去就を心配するノムさんに『(国内に)戻る時は巨人と約束してますから大丈夫』と話していたのを“密約”とリップサービスしたようです」
とはいえ、常々、愛弟子から相談を受けているミスターは、「キヨ(中畑清監督)を助けてやってくれないか」と、DeNA入りを勧めているという情報も流れ始めている。前出・記者が続ける。
「阪神が断念し、DeNAと巨人の一騎打ちムードです。しかし、メジャー球団のアストロズが獲得を検討しているとの報道もあり、キャンプ・スタートの来年2月まで綱引きが続く」
松井のメジャーの評価について、スポーツライターの友成那智氏が話す。
「得意だった速球系への対応が鈍るなど、急激に力を落とし、マイナー契約さえ厳しい状況です。今年の川崎宗則(ソフトバンク→マリナーズ)のように招待選手として呼ばれる可能性すら1割程度ではないでしょうか」
来季は日米どちらのユニホームを着ているのか。それとも‥‥。