古き良き昭和を引継ぐ正統派角打ちで“500べろ”も夢ではない昼下がりを
京浜工業地帯として発展を遂げた鶴見を支える本町通り商店街に、地元民から愛され続ける角打ちがある。昭和8年に現在の店主の父親が創業し、商法の改正や戦争による変転を経て、「豊島屋酒店」脇で飲める角打ちスタイルになったのは昭和29年のこと。その後、改築で酒屋に隣接する“立ち飲みコーナーとしまや”が確立されて30年近く経つ。
つまみは200円からの「缶詰」や、30円から120円の「せんべえ」「かにかま」などの乾き物のみ。酒は酒屋で扱うすべてを、販売価格にわずか10円足した程度で味わうことができる。日本酒「斗」は角打ちらしいガラスコップに注がれて、一合で250円。芋焼酎「霧島」も90mlで160円という低価格で、“せんべろ”ならぬ“500べろ”が実現できそうだから驚く。
駅から距離はあるものの、昭和の雰囲気そのままに、角打ち本来のスタンスを貫くムードを目当てに訪れる一見の客も少なくない。店主夫婦の和やかな笑顔と、野球や相撲などの時事ネタで盛り上がる常連客が迎えてくれ、初参でもひとりでも、いつの間にか場に馴染めるのも味わいのひとつだろう。
オープンは朝8時。明るい日差しの中で嗜めば、飲み慣れた酒の新たな味わいを感じられるかもしれない。
■立ち飲みコーナー としまや(豊嶋屋酒店)
住所:神奈川県横浜市鶴見区本町通2-48 電話:045-502-0289 営業時間:8:00~20:30 定休日:第2・4日曜