成功した人間に共通しているもの‥‥それは「プロ意識」だろう。どの業界であろうとも、厳しいプロ意識でみずからを律することができる者だけが、その道を究めることができるのだ。
騎手の三浦皇成と結婚後、子供もできて現在活動休止中のほしのあき。30歳を過ぎてなお、長年グラドルとして活躍してきた彼女にはある戦略があった。
「一般的な週刊誌からちょっと過激な雑誌まで、とにかく一つでも多くグラビア仕事を消化していく、と決めたそうです。スペースを埋めることでライバルの出番を減らせる、というワケです」
たとえ仕事が詰まっていても、寝る間も惜しんで時間を割き、朝から1カットでも多く撮影をこなしたという。実に見上げたプロ根性だ。しかも、そのために常に「ノーパン」でいたというのだから、恐れ入る。
「下着のラインの跡が体に残らないようにするためだそうで、彼女は『姑息ですよね~』と笑っていましたが、とんでもない。これぞプロだなと感心しましたよ」
プロ意識という点で忘れてはならないのが、デビュー以来、トップスターの座に君臨し続ける松田聖子だ。
「米俳優との不倫を取材するため、成田空港の動く歩道で彼女をズバリ直撃したことがありました。しかし、夫の神田正輝さんと手をつないだまま笑顔で去ってしまいました」
後日談がなかなかおもしろい。実はその時、夫の神田のほうが頭にきて、歩道を乗り越えて城下氏をブン殴ろうとしたというのである。神田と親しい城下氏は、のちにそれを知らされた。
「僕からそういう質問をされたことにカッときたそうなんです。ところが、動こうとした時に聖子さんがすごい力で手を握って押さえたんだそうです。顔を見ると笑ったまま。神田さんはこの時、『聖子っていう人はすごいタレントだと思った』そうです」
恐らく、いちばん怒っているであろう本人が、夫を笑顔のまま制止する。この不動心こそ、まさにプロ中のプロの姿勢である。
昨年、惜しくも逝去した松方弘樹もまた、プロ中のプロの俳優だった。
「松方さんが主役の時代劇の撮影に2日間密着したことがあるんですが、殺陣シーンの撮影も、殺陣師が『カメラがこう動いてここで止まるから、こうして斬って、ここで決めポーズ』とか説明したあと、練習も何もなく、すぐ本番に入るんですよ。それでも、松方さんはNGなしで一発OK。しかも、カットの声がかかるやいなや、口の中にあったガムをかみ始めるんです(笑)。あれにはしびれましたねェ」
驚くべき集中力で、決めるところは決める。このようなオン・オフがしっかりした仕事ぶりこそ、プロ意識の最たるものであろう。
城下氏は最後に、こう語った。
「日々出会う芸能人の中でも大物と呼ばれる人は、やはりどこかが違う。今回出した本では、そんな彼らのゴシップではなく、あえて人間としてすごい面に注目しました。そのノウハウは、サラリーマンや経営者はもちろん、普通の人が生活する場においても活用できるはずです。ぜひ、大いに役立ててみてください」