では、CBDサプリの実際の使用感はどのようなものなのか。CBDサプリの摂取方法には主として、【1】オイル状のものを舌の裏に垂らす方法、【2】錠剤を服用して消化管から取り込む方法、【3】オイルを吸入器で気化させ肺から体内に取り込む方法、の3パターンがあるが、最も摂取効率が高いとされる【3】の方法でCBDサプリを使用している愛好家から話を聞くことができた。
「CBDオイルはガンの再発予防に効果があると聞いて始めました」
こう語るこの愛好家が使用しているのは、「ヴェポライザー」と呼ばれる専用の吸入器。真ん中にあるボタンを押しながら吸い口から吸い込むと、内蔵電池によって加熱、気化されたオイルが出てくる仕組みだが、その使用感がまたかなりアブナイものだった。ありのままを語ってもらうと──。
「私の場合、摂取効率を高めるため、一口吸っては息を止め、を繰り返します。5回や6回では大した変化はありませんが、スーハースーハーと何度も繰り返していると、やがて体はまったーり、目もとろーんとしてきて、実に気持ちよくなってきます。このリラックス感が体の免疫機能を高め、ガンの再発予防にもなるようですが、この効き方は正直言ってヤバイ。専用のオイルは大麻草の茎から抽出して作られる濃縮オイルですから、やはりそれ相当のTHCが含まれているのではないでしょうか」
実はこのCBDサプリなどを巡っては、16年に荒井広幸参院議員(当時)が内閣に二度、「大麻草の医療研究および使用に関する質問主意書」を提出している。それに対し、安倍総理は「CBDオイルにはTHCは含まれていない」との認識のもと、答弁書で次のように公式回答しているのだ。
〈THCには濫用のおそれがあり、かつ、幻覚等の有害作用があることから、大麻の医薬品としての施用については慎重な検討が必要であると考えている〉
〈食品の輸入に際し、個々に検査して含有成分を確認し、その品質を保証する仕組みは我が国にはなく、御指摘の「CBDオイル」についてのみ検査し、その品質の保証を行うことは困難であると考えている〉
前述したように、大麻草の茎から抽出されたCBDサプリといえども、THCを完全に取り除くことは不可能であり、違法成分は必ず含有されている。とすれば、答弁書でTHCを医薬品として使うことには慎重な検討が必要と回答した安倍総理みずからが、中身の保証ができない「疑惑のCBDサプリ」を進んで使用していることは、違法性も十分視野に入る、大きなミステイクとなる。
厚労省を含めた行政府の長を務める総理大臣が、大麻解放に共感を示す夫人の勧めに応じて、法律のきわめて怪しいグレーゾーンにある輸入サプリを使用しているのでは、それこそシャレにもならない。「モリカケ問題」同様、安倍総理には重大な説明責任があるのではないか。