18年もやはり国際ニュースの主役となるのは、アメリカと北朝鮮であり、ドナルド・トランプ大統領(71)と金正恩朝鮮労働党委員長(34)になるだろう。
北朝鮮の脅威、核・ミサイル開発は18年も進展する。防衛省関係者が言う。
「7回目の核実験と、SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)の発射が遅れていますが、18年に実施される可能性は高いでしょう。太平洋上での水素爆弾実験を強行する可能性も十分にあり、警戒を続けている」
こうした北朝鮮の動きは米政府を刺激する。国連や日米などは最近、北朝鮮に対する制裁措置を強化。国連安全保障理事会は昨年末、北朝鮮向けの石油精製品の輸出を9割削減する追加制裁決議を採択したばかりだ。
「ただし、締めつけがさらに強まっていく18年に、北朝鮮が暴発するおそれが高まる」(前出・防衛省関係者)
まして、18年に世界が直面する北朝鮮の脅威は核・ミサイル問題だけではないのだ。国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、むしろ他の脅威が日米韓に直接的な被害をもたらす可能性があると指摘する。
「最も現実的な脅威として警戒が必要なのはサイバー攻撃です。すでに世界中で金融機関を狙った大規模なサイバー攻撃や、ランサムウェアによる攻撃を成功させ、年間10億ドルと言われる金を稼いでいます。制裁強化に対する復讐で、こうした攻撃は増えるでしょう。金正恩の斬首作戦計画をまとめた『作戦計画5015』など韓国軍の機密情報などを盗み出すことにも成功していますが、今年はより外的ダメージの大きいサイバー破壊工作に移るとも見られています」
さる米国防総省の元高官がその脅威を語る。
「真冬に氷点下となる地域の発電所や電力網をサイバー攻撃して、何日間も停電を続けたら、その人的被害は、局地的な攻撃となるミサイルでの爆撃よりも大きくなる可能性があります。すでに世界各地でサイバー攻撃による大規模停電などが起きており、北朝鮮もそれを実行する能力は十分にあると考えていい」
また、追い詰められた北朝鮮が生物化学兵器や「核背嚢」による攻撃に出ることも予想されている。
「韓国の国家情報院は、北朝鮮が生物化学兵器を武器化し、天然痘や炭疽菌を使う可能性が高いと見ています。最近話題になっている漂流船で工作員が日本に上陸し、人が密集する都市部や水道施設などに病原体をバラまくというシナリオも考えられる。核背嚢は『リュックサック放射能兵器』と呼ばれており、すでに北朝鮮の軍事パレードでもお披露目されています。金正恩が開発を急がせている兵器で、リュックから放射性物質がバラまかれるというものです」(前出・山田氏)