金正恩氏が暴走する近未来がこうも予測されるのであれば、やはり気になるのは、米朝軍事衝突の可能性である。
なんと韓国・国家情報院の関係者は最近、取材にこう証言したのだ。
「3月の平昌五輪後に米朝が武力衝突するとの見方がある。というのも、米国はもうあまり時間がないと考えているからだ」
事態は切迫しているというわけである。
ジョージタウン大学の安全保障専門家であるオリアナ・スカイラー・マストロ教授は、アメリカと北朝鮮の衝突が避けられない状況になった場合の最悪シナリオすら指摘している。
「中国は戦後のことを見据えて躊躇することなく北朝鮮に軍を送り込む。そうなれば、北朝鮮を掌握するために、米中が衝突する可能性も考えられる」
ところで、一度冷静になると、米国は18年の国内情勢を鑑みて、北朝鮮情勢にどこまで足を突っ込むことができるのだろうか。というのも、アメリカは11月に重要な中間選挙を控えているからだ。現在、与党・共和党が過半数を占める下院は全ての議席が改選、かろうじて過半数を占めている上院も一部が改選される。
山田氏が解説する。
「これはトランプ大統領のその後の政権運営を左右する重要な選挙ですが、現状で分析すれば、野党の民主党が上下院とで過半数を得るのは難しそうです。というのも、州単位で見ると、16年の選挙同様、今も共和党への支持が多いからです。そうなれば、トランプ大統領がさらに自信を深め、北朝鮮問題をはじめ、独自路線でアメリカを牽引することになるでしょう」
もしトランプ大統領が議会を引き続き支配し、ずっと悩まされ続けている「ロシア疑惑」が下火になれば、話題作りで支持を獲得してきた大統領が突飛な動きをする危険性はある。北朝鮮との緊張関係をさらにあおるかもしれず、それが引き返せない軍事衝突につながっていく──。
ちなみに、トランプ大統領誕生とイギリスのEU離脱を、下馬評に反して予測したイギリス人占い師クレイグ・ハミルトン・パーカー氏はこう予測している。
「恐らく18年1月中には、北朝鮮の金正恩は失脚するでしょう。ただ理由は米朝戦争ではなく、国民に引きずり降ろされることになりそうです」
いずれにせよ、激動の国際情勢となりそうだ。