テリー 久住さんが仕事や学校で忙しい間、お母さんは慣れない東京で何をしていたの?
久住 お母さんは、私の仕事の送り迎えをやらなくちゃいけないんです。まず仕事の場所まで送ってくれて、帰る時間までそこで待っているか、一回家に帰ってまた終わる頃に迎えに来る、みたいな感じで。
テリー わ~、じゃあお母さんも忙しいな。でも、お母さんが急に抜けたんだから、実家もさぞかし大変だったろうね。
久住 だと思います。私の上に姉と兄がいるんですが、家事は高校生の姉がやってくれていたみたいです。
テリー じゃあ、本当に家族が一丸となって応援してくれたんだね。
久住 当時はまだ子供でしたから、一人じゃ何もできませんでした。そういう意味でも、支えてくれた家族には感謝しています。
テリー モー娘のメンバーになって、普通の中学生がいきなり華やかな芸能界に入ったわけだよね。戸惑いとか、なかった?
久住 あ、特に違和感はなかったです。本当に何も知らなかったので、「(芸能界って)こういうものなんだろうな」と素直に思ってしまっていました。
テリー 見かけによらず、意外に度胸が据わっているね。とはいえ、歌やダンスとか、覚えることもたくさんあるじゃない。
久住 私、最初は歌もダンスも、かなり下手だったんですよ(笑)。今考えても、見ていられないぐらいのレベルで。
テリー そりゃしかたないでしょう。それまでやったことないんだから。だけど、モー娘はすごく高いレベルを求められるんでしょう?(当時のプロデューサーの)つんく♂さんは、そういうところにすごくこだわる人だから。
久住 そうですね、PV撮影の前日の夜中に、振りが全部変わったことがありました。その日は、結局寝ないで朝まで練習しました。
テリー うわー、それはキツいな。結局、ちゃんと覚えられたの?
久住 うーん、どうだったかな(笑)。
テリー アハハハ! 何だよ、もしかして、できなかったんじゃないの?
久住 1年ほどしたら、他のみんなよりは下手ですけど、まだマシになりましたね。
テリー そもそもメンバー間で年齢差もあったでしょう。
久住 ええ。
テリー 年上のメンバーに意地悪とかされなかった?
久住 アハハハ、上下関係は厳しかったですけど、それはなかったですよ。
テリー 当時のメンバーだと、誰と仲よかったの?
久住 高橋愛ちゃんですかね。お姉ちゃんが上京してきた時には一緒に遊びに行ったりしました。
テリー モー娘の活動の中で何が楽しかったかな。
久住 そうですね‥‥やっぱりコンサートだったり、できあがったPVを観る時でしょうか。自分の頑張りがしっかり形になった時の充実感を得ることができました。
テリー うん。でもそれって、たった4年の間の出来事なんだよね。
久住 はい。すごく濃い時間を過ごしていたんだと、あらためて思います。長かったような、短かったような‥‥。