球団史上初のリーグ3連覇を狙う広島は、昨年8月に右足首骨折で離脱した若き主砲・鈴木誠也(23)に不穏な影が忍び寄る。
「本人は日本シリーズで復活出場するつもりでしたが、結果はCS敗退。ベンチ裏で鬼のような形相でじっと押し黙り、親しい記者も声をかけられなかったそうです。一説には、日本一になったら交際女性に結婚を申し込む予定だったとか‥‥。そのせいか、オフのトレーニングは周りが止めるくらい驚異的な練習量でした。故障明けにいろいろ背負い込みすぎてオーバーワークにならないか心配しています」(広島番記者)
さらには、こんな落とし穴もあるという。
「緒方孝市監督(49)を支えてきた石井琢朗(47)、河田雄祐(50)両コーチがヤクルトに流出してしまった。正直、作戦面は高信二ヘッドコーチ(50)を加えた3人で支えてきました。野手を厳しく鍛えた石井コーチ、トリッキーな作戦を進言していた河田コーチの抜けた穴は大きいでしょう」(広島関係者)
広島から主力コーチを引き抜いたヤクルトでは、同じく今季から加入した宮本慎也ヘッドコーチ(47)の存在が波乱を呼んでいる。
「解説者時代に『選手もコーチもユルい。あの球団体質では、永遠に優勝できない』と古巣を痛烈に批判した宮本コーチに対し球団は『二度と敷居をまたがせるな』とまで激怒。就任の目はないはずでしたが、あまりの低迷ぶりに手を借りざるをえなくなり、オファーを受けての入閣ですからね」(スポーツ紙デスク)
宮本コーチは改革に向け鬼軍曹になる気満々。「仲よしのびのび野球」に慣れきった主力選手たちは、本格的なシゴキが待っている春季キャンプに向け戦々恐々としているという。
「大恩人」の星野仙一氏が1月4日に亡くなり、今季の優勝を手向けにと切望する阪神・金本知憲監督(49)は、藤浪晋太郎(23)と一触即発の状況だという。
「金本監督は闘志を前面に出さない藤浪に不満を抱いているんです。だから自身が取り入れ、現在は広島の新井貴浩(40)も行っている鹿児島・最福寺での護摩行(炎の前で全力で不動真言を唱える精神修行)をやらせて殻を破らせたいと考えていましたが拒否された。科学的トレーニングによる肉体改造に精通するダルビッシュ有に心酔し、自主トレにもついていく藤浪は、護摩行の誘いにまったく耳を貸さなかったのです」(在阪スポーツライター)
価値観、野球観がはなはだしく相違しているのだ。エース候補と指揮官の溝が深まるばかりではキャンプ前から不安は尽きない。