芸能界という大海原で立派に泳ぎきるのは、至難の業だ。現在テレビの世界でメシを食えているお笑い芸人は、ほんのひと握り。その裏では、食うに困る芸人が腐るほどいる。響・長友光弘はそのアップとダウン両方を経験した。演芸シーンに詳しいフリージャーナリストは言う。
「長友というより、オカッパ頭にピッチリしたセーラー服の超巨漢女子高生・ミツコといったほうがわかるでしょうか。ピーク時の体重はおよそ133kg。逆ギレして『謝ればいいんですか?どうもすいませんっ』と豹変する形相が強烈なインパクトを残し、フレーズも流行りました。今も相方の小林優介さんとコンビを続行中で、昨年末に続いて2月2日に都内で、『響の発表会』という単独ライブを開催したばかり。でも、今の長友さんは、芸人業よりラーメン屋のオーナーが本業と言っていいぐらい。サイドビジネスがメガヒット中なんです」
若手芸人がネタ見せできる地上波が、2010年ごろに相次いで終了。響のようなショートネタで「一発屋」といわれる者は、行き場をなくした。そこで14年、知人との共同オーナーで、地元・宮崎市内に「ラーメン暖暮(だんぼ)」を出店すると、「九州ラーメン総選挙」で堂々1位に輝く快挙。翌15年には年商5800万円に達して、勝ち組オーナーの仲間入りを果たした。
「ホリエモンこと堀江貴文さんもその味を絶賛したそうです。現在は福岡県に本店を作り、フランチャイズ店を宮崎県で2店舗も構えています。いずれも共同オーナーとはいえ、ビジネスプランは堅実。ちなみに、ラーメン店の社長を紹介してくれたのは、先輩で親友のアンタッチャブルの柴田英嗣さんだそうです」(前出・フリージャーナリスト)
ダーツのプロ資格も取得している長友。ダーツ芸人でラーメン屋オーナーという二刀流の肩書きで、もう一度スポットライトを浴びる日は来るのだろうか。
(北村ともこ)