ジャニーズ事務所が所属タレントのインターネットでの写真使用解禁を発表したのは去る1月31日。
「これまでネット上では、ジャニーズタレントの主演映画なのに主演俳優の写っていない集合写真が掲載されるなどあまりにも不自然なケースが多々ありました。禁止だった理由は、ネット上では肖像権保護に関する法整備ができていないこと、監視や規制などあまりにも煩雑すぎて対処できないためというものでした」(スポーツ新聞記者)
それが、ようやく解禁となったとはいえ、今回の措置でも、解禁となったのは、あくまでタレント登壇時の写真に限られる。それも3カットまでと制限つき。ジャニーズ事務所が選別したメディアが、取材で撮影した写真を、その記事に使う時のみ使用許可される。
「取材に呼ばれていない媒体への写真配布は事務所におうかがいを立てることが必要です。また二次使用は従来通り不可なので、結局は一部の限られた媒体しか使えない状況で、もともと付き合いのないネット媒体にとっては状況は何も変わらない(笑)」(ネットライター)
だが、ネット解禁が大々的に取り上げられる前からファンの間ではお構いなしの状況が続いていた。たとえば、一番顕著に現れていたのが、ファンブログ。初期の頃は思いの丈を文字だけでつづったものが一般的だったが、今ではジャニタレの写真掲載は当たり前になっている。
「今やブログは何でもありの無法地帯。トップにお気に入りのジャニタレの写真をちりばめるのは序の口。テレビ番組の場面を抜いたり、テレビ誌から抽出した写真が大手を振って掲載され、CM動画や新譜のMV動画も堂々添付されている。これまでは動画を公開している企業のURLを明記し、そのサイトに飛んで見る形だったのが、ブログ内で当たり前のように視聴できる。私的使用の範囲を明らかに超えており、肖像権やパブリシティー権侵害となることは明らかです」(芸能ライター)
ジャニーズ事務所の公式サイトでは、〈事前にジャニーズ事務所の承諾がない限り、法律によって認められる私的使用の範囲を超えて、これらの情報を使用(複製、改ざん、頒布などを含む)することをかたくお断りします〉という一文が掲載されている。かつては熱心すぎるファンが事務所に認められて事務所承認済みファンサイトを運営するケースがあった。が、厳格さで知られるジャニーズ事務所、一般のファンに許可を出すことはありえない。ネット解禁は事務所の戦略上必要不可欠なことだったが、ネットの現場ではすでに何でもあり状態。ネットに関していわば「本腰を入れた」ジャニーズ側が、ファンサイトに片っ端から訴訟を準備するなどの“一斉摘発”を始める日が早晩来ないとも限らないのだ。
(塩勢知央)