さらに、“育ての親”であり13年に亡くなった相澤秀禎会長との確執についても赤裸々に吐露する。
〈私が芸能界デビューした際、お世話になったプロダクション「サンミュージック」の相沢会長との恨がなかなか解けなかったのです。同プロが40周年記念式典に花束を贈ったのに何の反応もありませんでした。私の恨は増幅しました。
2年前、相沢会長が死去しました。葬儀に参列するか迷った私ですが、夫と息子が「行かなければならない」と背中を押してくれました。マスコミが詰めかけている青山葬儀場での葬儀に行きますと、旧マネージャーは「誇りに思う」と言っていただき、会長夫人始めさまざまな方から「歓迎」をうけました。恨の元凶の会長秘書に「ごめんなさい」と自分から言葉がでた時、苦しみから解放されたと感じました〉
たびたび桜田の発言に出てくる「恨(ハン)」とは、韓国文化の独特な言い回しで、日本語の「恨み」よりも根深い宿怨のような感情を指すと見られる。このことからも、いまだに文鮮明氏に深く傾倒する様子がかいま見えるのだ。
そして講演会の終盤ともなると、リップサービスからか芸能界での交友ぶりも明かし、かつての芸能人としての活躍ぶりをアピールすることも忘れていなかった。
〈高倉健さんをご存知でしょう。健さんは愛情深い方でした。父が他界した際、お線香をいただきました。私が苦闘しながら、映画「お引越し」のロケ中、健さんはお守りをくださり「あの子は大丈夫だからと言っておられましたよ」とお使いの方が健さんの気持ちを伝えてくれました。一流の方は違うのですね。森田健作さん、ジュディー・オングさん、遠藤周作さん、吉本隆明さん。挙げれば切がありません。そうした方々から可愛がられました〉
繰り返すが、この講演会での発言は、当日の参加者のみならず、全国の幹部から信者にもメールで送信されている。つまりいまだに「広告塔」としての役割を担っている、バリバリの現役信者であることを物語っているのだ。